QuNeoだったりPushだったり12Stepだったり、DAWを楽器にするためのMIDIコンはたくさんあります。
が、やっぱりシンプルなMIDIキーボードも1つくらいあると便利だよね~。
Ableton LiveっていいDAWなのに、なぜかバンド周りにユーザーが少ない。
ちょっと悔しいので、バンドマン向けに役立ちたくてAbleton Live講座もやってます。
記事を書いてるakimはAbleton認定トレーナーです。

K-Boardって何ぞや?
【K-Board】とは【MIDIキーボード】です。
DAWにつないで鍵盤を弾くと、DAWで設定した音源(インストゥルメント)を鳴らすことが出来ます。
キーボーディストの多くが弾いてるのは【88鍵】と呼ばれる、鍵盤が88個付いてるタイプですね。
ピアノの鍵盤数と同じなので、いろいろ都合がいいみたいです。
たしかに88鍵あれば音域も広いし、USB等でPCとつなげばMIDIキーボードとしても使えます。
ただねぇ、88鍵ってけっこう幅を取るんですよね~。
(120㎝を超える機種が普通)
キーボーディストなら気にならないというか当たり前のサイズであっても、僕のように『鍵盤は弾かないけどあると便利』というレベルのユーザーにとっては『88鍵は大きすぎて不要』という判断を下すのに十分な要因です。
じゃあ【K-Board】はというと
- 幅:325mm、奥行:84mm、厚み:11mm
- 重さ 345g
- 2オクターブ(LED内蔵、アフタータッチ&ティルト感知タイプ:25鍵)
こういう感じ。
たしかに鍵盤1つ1つのサイズはピアノのそれとは異なるけど、持ち運びも楽だし、場所を取らないのはありがたい。
K-BoardのメーカーはKeith McMillen Instruments、日本での代理店はドラムで有名なパール楽器さんですね。


K-Boardと似たプロダクトに【QuNexus】というのもあります。
こっちは、K-Boardに【CV対応】と【MIDI Expander接続】などの機能を追加したプロダクトです。
これはこれで、またブログに書きますね。
動作環境
動作環境は
- Windows10 + Ableton Live11 Beta
- Macbook(Catalina)+ Ableton Live11 Beta
の2つで確認しています。
基本的にWindows機で制作等を行い、Macbookは出先でのRecやライブパフォーマンス等に使う感じです。
このブログ記事ではWindows環境での設定が主になります。
下準備
僕のように『鍵盤があると助かる』というレベルであろうと、『鍵盤を制作によく使う』というレベルであろうと、最初にやることは同じです。
それは【Editor】のダウンロードですね。
まずは以下のページにアクセス。

自身の環境に合わせたEditorをダウンロードすればOK。
ダウンロードが必要ない【Web Editor】というものもあります。
ダウンロード版のEditorと同じ使い方なんですが、個人的にダウンロード版をチョイス。

ダウンロード版のEditorには取扱説明書も含まれてるので、DocumentationはダウンロードしなくてOK。
余談ですが、K-Boardの取扱説明書はデザインが良いので好きです。

Windows版の場合はフォルダを解凍し、中に入っている【K-Board_Editor.exe】をダブルクリックすればOKです。
Mac版の場合はdmgファイルがダウンロードされるので、ダブルクリックからインストールすればOK。
Editorで出来るのは
- MIDIチャンネルの選択
- Pressure(押し込み)のCCナンバー設定
- Tilt(傾き)のCCナンバー設定
- Bendのレンジ設定
- 鍵盤の感度設定
です。
まあ、実際に使ってみてからで十分間に合う設定項目ですかね。
設定後は上部メニューの【Hardware⇒Update K-Board】でK-Boardに設定を送ることだけは覚えておいていただいて。

次は音を出してみましょう。
音を出してみる
同梱されているUSBケーブルを使い、PCと接続します。
Ableton Liveを立ち上げ、適当な音源をMIDIトラックにインサート。
そのトラックのアームボタンをOnにしてK-Boardの鍵盤を押せば音が鳴ります。
ここではLive11から新搭載の個人的お気に入り音源【Upright Piano】とSamplerの【Angel Space】を鳴らしてます。
もし音が出ない場合は【PC側のUSB差込端子を変えてみる】とか【Ableton Liveを再起動する】などを試してみてください。
それでも直らない場合は取扱説明書の18Pを参照のほど。
もっと遊ぶ
ただの鍵盤として使うだけなら【音が出ればOK】なんですが、K-Boardはそれ以外の機能もあるのでそれだけだとちょっともったいない。
というわけで、もっと遊ぶためのお話を。
取扱説明書だと7~11Pですね。
文字を読むのが面倒な場合は以下の動画が役立ちます。
Pressure
K-Boardの【Press】を点灯させればこの機能を使えます。
使いたくないときは【Press】を消しておけばOK。
いわゆる【アフタータッチ】ですね。
押した鍵盤をさらに押し込むことによって音色が変わります。
MIDI的に言うと【Modulation】が動いてます。

シンセ系の音色によく合う機能ですね。
Ableton Liveだと【Wavetable】とか【Sampler】の音源が相性いいかな。
Editorで【Pressure CC】を書き換えれば、送られるCCを変更することが出来ます。
試しにPressure CCを【10】に書き換えてみると【Pan】が送られるので、結果としてこんな感じになります。
MIDIコントロールが【Pan】に作用してることに注目。

Tilt
K-Boardの【Tilt】を点灯させれば、この機能が使えます。
押した鍵盤を手前または奥に押し込むようにするとちょっとだけ【Bend】させることが出来ます。
MIDI的に言うと【Pitch Bend】が動いてます。

Bendの幅を調整したいときはEditorの【Bend Range (Tilt)】の数値を変えます。
試しに【12】にした場合、これだけ【Pitch Bend】が動きます。

Editorの【Tilt CC】を書き換えれば送るCCを変更出来ます。
【10】に書き換えてれば【Pan】をコントロールするCCが送られるので、結果としてこんな感じになります。
MIDIコントロールが【Pan】に作用してることに注目。

Velocity
【Velo】を点灯させると【Velocity】の機能がOnになります。
要は【タッチレスポンス】ですね。
鍵盤を強く弾けば大きい音が、弱く弾けば小さい音が鳴るという機能です。
弾いた強さ・弱さにどれだけ反応するかはEditorの【Velocity Sensitivity】で調整できます。
スライダーを右に振れば振るほど弱い力で弾いても大きな音が出るようになります。
逆に、左に振れば振るほど、そうとう強く弾かないと大きな音が出づらくなります。


Toggle
【Togl】を点灯させると、【Toggle】機能がOnになります。
鍵盤を押すと音が鳴り、もう一度鍵盤を押すまで音が鳴り続けます。
アルペジオをやるときとか、押さえづらいコードを弾くときなんかに便利ですね。
Sustain
【Sus】を押すと【Sustain】がOnになります。
【Sus】を押している間、鍵盤を弾いて出した音は鍵盤から指を離しても伸び続けます。
【Sus】から指を離すと、音が止まります。
ちょっと【Toggle】と似てるかも。
これも押さえづらいコードを弾くときとかに使えそう。
Bend
鍵盤を押しながら【Bend】を左右に傾けると、音が【Bend】されます。
MIDI的に言うと【Pitch Bend】が動いてます。

Tiltとの違いは
- 鍵盤を押してる指の動きに関係ない
- 和音であっても同時にBend出来る
- TiltのようにボタンのOn/Offが無い
って感じですかね。
EditorでBendの幅を調整できるので、TiltとBendを上手く使い分けるのが面白いかな。

Oct
左向き三角ボタンを押すとオクターブダウン、右向き三角ボタンを押すとオクターブアップします。
Ableton Live上で、最低音が【C0】、最高音は【C7】まで。
オクターブダウン/アップしてると、三角ボタンが点滅します。
点滅してないときが標準スケール。
Ableton Live上で【C2~C4】まで出ます。
Ableton LiveのScaleを使う
K-Boardはシンプルなプロダクトです。
つなげば使えるし、難しい設定もありません。
それだけに、1つだけ(僕にとっては)問題が。
鍵盤楽器に慣れてないタイプにとって、キー(調)の変更は大問題。
Bassならフレットをズラすだけで指使いは同じまま弾けますが、鍵盤だとそうはいかない。
【トランスポーズ】と呼ばれる【移調機能】が付いてる鍵盤もありますが、K-Boardにはついてないし。。。
ってことで、Ableton Liveの【Scale】を活用しましょうか。
Scaleとは?
Ableton Liveの【Scale】はMIDIエフェクトです。
【Scale】は入力されたMIDI信号を別の音に変換して出力することが出来ます。
たとえば【C】を【D】にとか、【C#】を【E】にとか。
これを利用して、入力されたMIDI信号をスケール上の音のみにして出力することが出来ます。

鍵盤の白鍵のみを弾くと【Cメジャースケール】の音だけが出ます。
K-Boardだとこの部分。

これを【Cマイナースケール】にするとなると、鍵盤が苦手な僕みたいなタイプは『え~~っと??』となるわけです。
下の画像の赤●部分がCマイナースケールの音なわけですが、頭を瞬時に切り替えて弾くことは現時点での僕にはかなりハードルが高い。。。

Scaleを使おう
そんなときこそ【Scale】の出番。
【MIDIエフェクト⇒Scale】からプリセットを選んで、K-Boardで鳴らしたいトラックにドラッグ&ドロップ。
ここでは【Minor】を選択。

これで、K-Boardをどう弾こうがCマイナースケール上の音が出ます。
低い方から順に弾いてみればわかるかと。
オーディオエフェクトから【Tuner】を入れれば、入力音と出力音が目でも確認できます。
(軽くエフェクトがかかってるので、チューニングに多少のズレがあります)

キーを変える
【Transpose】でキーを変更出来ます。
Dマイナースケールにしたければココを【2st】に、Bbマイナースケールにしたければココを【-2st】にすればOK。
【st】は半音を表す【セミトーン】の略なので【半音いくつ分上げ下げするか】ってことですね。

【Scale】は自分で作ることもできるので、スケールに対する基礎知識があれば好きなだけ発展させることが出来ます。
まあ、鍵盤を弾きこなせるようになればいいだけの話なんですがね笑
人それぞれ得手不得手というものがあるので【Scale】を上手く使ってK-Boardを弾こうと思います。
感想
なんだかんだ言っても、鍵盤楽器は1つくらいあった方がいろいろ便利ですね。
弦楽器やPushでは得られないインスピレーションが得られるし、作曲にも幅が出ます。
K-Boardはコンパクトで場所を取らないし、創作場に置いておくにはもってこいかな、と。
持ち出すのも楽そうだし^^
弾いた感じがちょっと硬質ゴムっぽい感触なのも、個人的には好きです。
Pushを弾いたときの感触に似てるんだよね^^
レッスンという選択肢
独学・独習だと、壁にぶち当たることがあります。
バンドのようなグループ内にいる場合は仲間からのアドバイスで解決することもありますが、DAWでの楽曲制作は1人でやることが多いので仲間が出来にくいという側面はありますよね。
そんなとき、akimに直接レッスンを受けるという選択肢があります。
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