Ableton Meetup Tokyo Vol.20のテーマは【Dub】です。
前回のVol.19が【作曲】という広いテーマだったのに対し、今回は【Dub】という1ジャンルに絞ったテーマ。
浅く広くも大事だけど、狭く深くも大事。
何より、絞り込むことによって得られたTipsは、広い場所でも必ず役に立つ・・・はず。

Ableton Meetup Tokyoとは【Abletonユーザーを横断するコミュニティーの構築】を目的に隔月で開催されているイベント。
簡単に言うなら【Ableton Liveユーザー同士、仲良くなろうよ】と言う趣旨・・・ではあるものの、イベントの面白さが噂になったのかAbleton Live以外のDAWユーザーが参加することもよくある話。
ちなみに、このレポを書いてる俺(akim)も2018年にAbleton Certified Trainerになりました。

『Ableton Meetup Tokyo(略称 AMT)って、いったいなんなの??』という方、まずは過去のAMTレポートをお読みください。
Ableton Liveユーザーのみならず、音楽制作に関わっているのであれば興味出ること間違いなしかと。

過去のAMTについてはこちらから↓

前置き

前置きはほぼ定型なので、本編が気になる方は本編Vol.20に飛んじゃってください^^

Ableton?

今までのAbleton Meetup Tokyoもお読みいただくとして、まずは基礎知識。

Ableton】とは【Live】というDAW(音楽制作ソフト)を作っているメーカーです。
Liveは動作が軽く、直感的な操作が可能なので世界中のTrack makerやDJ/パフォーマーなどに愛用されてます。
その中でも、Abletonに知識・技能を認められた方々をAbleton Certified Trainer(Ableton認定トレーナー)と呼びます(自分で言うの、ちょっと恥ずかしいけどw)。

手前味噌ですが、俺がやってるユニットでAbleton Certified Trainerについて話してるんで興味ある方はご覧をば。

Ableton Meetup Tokyo

Ableton Meetup Tokyo(略称AMT)とは

が共同オーガナイズしているイベントです。
周囲を

が実動部隊として、

が写真撮影として固めてます。
(順不同・敬称略)

イベントの目的は

Abletonユーザーを横断するコミュニティーの構築

です。
簡単に言うと【Abletonユーザー同士、友達になろうよ】的な。
公式Facebookページはこちら。

イベントは、基本的に【Ableton Liveの使い方のプレゼン⇒Q&Aタイム】のように進みます。
回によってはパネル・ディスカッションなど、濃ゆ~~~いトークが聴ける場合もあります。

そして、実はお客さんのすべてがAbletonユーザーというわけではないのです。
『Abletonをススメられた他DAWユーザーさん』とか、『音楽制作を始めたいんだけど、よくわからない』とか、いろんな方がいらっしゃいます。
そもそも【Ableton Liveのプレゼン】ってのは基本であって、Ableton Liveに限らず【音楽制作】をするのであれば必ず役立つようなプレゼンも多いんです。

さて、長い前置きはここまで。
いよいよ本編。

Ableton Meetup Tokyo Vol.20『自分は気持ち良く、他は気持ち悪く』編

Vol.20 School of Dub

挨拶は『ヤーマン!』だったこの日。
テーマは【Dub(ダブ)】。
『Dubとかよくわかんない』って人も大丈夫。
そういう方のために、今回のAMTは特別講座から始まりました。

ってことで、ラインナップ。(順不同・敬称略)
お名前をクリックすればそれぞれの公式サイトやSNSに飛ぶので、気になるお名前はクリック!クリック!

 

特別講座 For Dub Beginners

『そもそもDubって何??』って方、いますよね?
そういうタイプ、俺だけじゃないでしょ??
ってことで、まずは【Dub】についてお勉強。
特別講師は山頂瞑想茶屋(さんちょうめいそうちゃや)さんです。

プレゼンではなく本当に【講義】だったのでここから書くのは山頂さんが話してたことと、後からいただいた資料を元に再構成してまとめたものです。
akimがこの講義をノートに取ったら」的な感覚でお読みいただけると伝わりやすいのではないかと。

DUBがいかにして生まれたか?

1950年代Jamaica、サウンドシステムカルチャーが隆盛、独自の文化を築く

これ以前の情報源はラジオ。
ラジオの代わりになりうるものとして登場したのがサウンドシステム、つまり音楽を聴けるプレーヤー。
音楽が聴ける場所には人が集まるので、自然と集会所になり、野外ディスコにもなった。
人が集まれば情報が集まるのは自然の摂理。

akimメモ:一昔前の床屋や、おばさまたちの井戸端会議のような感じだったのかも?

1962年 イギリス連邦から独立

独立後、Ska(スカ)がレゲエへと進化。
さらに、60年代後半にはジャマイカの音楽スタジオもマルチトラック化。
これにより、オケと歌を分けて保存するようになる。

レコードのB面がカラオケになる。
このカラオケに乗せてDJがニュースやメッセージを歌ったのがラップのルーツ。

akimメモ:HipHopのCDとかにラップが入ってない、ビートだけのTrackがあるけどそれの元祖って感じかな。

独自のアレンジ

1970年頃、スタジオのエンジニアたちがカラオケをMixするのに独自のアレンジを加えるようになり、それが流行。
この【独自のアレンジ】が、現在のDUBに通ずるリバーブやディレイを使ったもの。

akimメモ:仕事というより、遊びというか楽しみから生まれたらしい

山頂さんが名前を挙げてくれた初期の重要なDUBイノヴェイター(革新者・導入者)がこちら。

DUBが海を渡り世界へ 

1970年代後半、大きなジャマイカンコミュニティを擁するロンドンからDubが広がる。
ポストパンク~ニューウェーブの流れと相まって、さらに多くのジャンルに影響を与える。

重要人物がこちら。

90年代に入り、Trip Hopが流行します。

そして【New Roots】【Drum'n Bass / Jungle】【2step】【Dubstep】【Grime】などへ進化。
ドイツではテクノと融合し【Dub Techno】へと進化。

結論

  • 狭義のDUB => レゲエの歌抜きのカラオケにエフェクトを加えたもの
  • 広義のDUB => ダンスミュージックのエフェクティヴなREMIX全般

以上、山頂先生による特別講義でした。
【Dub】は知らなくても、その後に生まれてくるDrum'n Bassや2stepは知ってるってタイプも多いんじゃないかなぁ。
(てか、俺がそのタイプ)

こういう歴史やルーツは知っておいて損はないと思うんです。
いわゆる、温故知新的な意味も含めて。
その上で実践的な技を身につけると、より良い音楽が作れるんじゃないかな~~

最後に、特別講義用に山頂さんが準備していた曲のプレイリストを置いときます。
が、俺が探したYoutubeでの再生リストなので、山頂さんからすると『akim君、そっちのMixじゃないんだよね笑』とかあるかもですが、その辺はご容赦をm(_ _)m

Live内蔵エフェクトで楽曲にDub Mixを取り入れよう

お次はTyme.(タイム)さん。
(ピリオドまで入れるのが正式表記だそうです)

Tyme.さんは【セッションビューに用意したクリップをアレンジメントビューにライブ演奏録音していく】という手法を使いつつプレゼンしてくれました。
『え?そんなこと出来るの?』って場合は以下の画像を参考にどうぞm(_ _)m

Ableton Meetup Tokyo Vol.20『自分は気持ち良く、他は気持ち悪く』編 Ableton Meetup Tokyo Vol.20『自分は気持ち良く、他は気持ち悪く』編

ちなみに読んだだけでは覚えないと思うので『Ableton Liveを使い始めたばかりです!』なんて方は、実際に手を動かすことを推奨します。
特に【アレンジメントに戻る】ボタンを覚えておかないと『あれ??音が出ない!!』なんてパニクる人もいるくらいですから(俺だけどww)。
【アレンジメントに戻る】のショートカットはWin/Mac共通で【F10】です。
セッションビューとアレンジメントビューを行き来するときによく使うので、覚えておくといいと思いますよ^^

Dub以外にも応用が利く汎用性が高いTipsは、ある意味Dubらしさ満載の中にありました。
それは【リターントラックの使い方】。

リターントラック??

まずは【リターントラック】(あるいは【センド/リターン】)の基本的な説明からいきましょか。

たとえば1Trackに入れた音を鳴らします。
MIDIでもオーディオでもかまいません。
とりあえず、音を鳴らします。
この音は1Trackに挿し込まれたエフェクトを通ってMasterトラックに入り、最終的に聴いてる人の耳に届きます。

ではリターントラックは。
1Trackに入れた音は、1Trackに挿し込まれたエフェクトを通ってリターントラックに送られ、リターントラックに挿し込まれたエフェクトを通ってMasterトラックに入り耳に届きます。
(リターントラックに送る動作が【センド(Send)】)

『あれ?1Trackに直接エフェクトを挿し込むのと何が違うの?』
って感じですよね。
俺も最初はそう思いました。
が、実はけっこう大きな違いがあるんです。

その違いは下に書きますね。
例としてFUZZとEchoを挿し込んでますが、どんなエフェクトでも音の流れは同じです。
適宜、好みのエフェクトに置き換えて読んでください^^

1.原音+リターントラック

リターントラックから出てくる音は、1Trackに入れた音にプラスされたものになります。
つまり、1Trackから出てくる音自体も耳に届いてるんです。

たとえば、1TrackにPedalのFUZZを挿しこみ、リターントラックにEchoを挿しこみます。
耳に届く音は【FUZZだけを通った音】と【FUZZとEchoを通った音】の2つ。
ですが、1Trackに直接Echoを差し込んだ場合は、後者の【FUZZとEchoを通った音】しか聴こえません。

つまり、音作りに幅を持たせることができるんです。

2.原音とリターンを別々にコントロール

上に書いたとおり、リターントラックを使った場合は【FUZZだけを通った音】と【FUZZとEchoを通った音】の2種類が耳に届きます。
これは言い方を変えると【FUZZのみをコントロール】【FUZZとEchoをコントロール】ということ。

【FUZZの暴力加減を際立たせる】ことも出来るし、【うっすら掛けたFUZZをEchoで飛ばしまくる】ことも可能。
オートメーションを使えば【Echoがゆっくりかかり始める】なんてことも出来ちゃいます。

言葉だけでは伝えづらいので、自分のAbleton Liveでやってみることを強く推奨。
実際にやってみるとわかると思うけど、音作りの幅が大きくなっちゃうんですよ、これが。

3.複数のTrackに1つのエフェクトをかけられる

多くのエフェクトを同時に動かすと、当然ながらPCには負荷がかかります。

そんなとき、リターントラックが役立ちます。
【リターントラックに入れたエフェクトは複数のTrackに掛けられる】という特技があります。

ここまでの例で言うと、1Track以外にも2,3,4,5,6・・・Trackにも同時にEchoを掛けられるんですね。
これでPCへの負荷を減らすことが出来ます。

余談ですが。
実はディレイやリバーブ系のエフェクトってCPUへの負荷がかかりやすいエフェクトなんです。
なので、Dubのようにディレイやリバーブを多用する音楽の場合、リターントラックの活用は理にかなってるんですね。
もちろんDub以外にも、リターントラックは普段のMusicmakeに必ず活かせますよ。

Ableton Liveでは

Ableton Liveではエディションによってリターントラックの数に違いがあります。
Introは2track、StandardとSuiteは12trackまで使えます。

ちなみにこの日、Tyme.さんのセットのリターントラックは7つ。
つまり7種類のエフェクトがリターントラックに入ってます。
これらすべてを各トラックに挿し込んだら、CPUにはかなりの負荷がかかります。


プレゼン後のQ&Aタイムにて。
Q「ディレイの掛け具合(どれだけ掛けるか)で心がけてることはありますか?」
というお客さんからの問いに対し、Tyme.さんの答えは
A『自分は気持ち良く、他は気持ち悪く』
でしたwww

お客さんの反応は大事だけど、それだけじゃ面白くないというかこじんまりした曲になっちゃうんだよね。
この考え方も、Dub以外に応用が利く深いものではないかな、と。

ノイズを活かして煙たい質感作り

トリを飾るのはAbleton Meetup Tokyoのオーガナイザー【Koyas】さん。
Ableton Certified Trainerでございます。

Koyasさんは曲に【ノイズ】を加えるお話を。
これも、Dubに限らず応用が利くTipsなのでぜひお試しを。

ノイズって必要?

そもそもな疑問として『ノイズって必要なの?』ってのはあると思います。
普通は取り除くものだからね、ノイズって。

この疑問に対するKoyasさんの答えは
『ノイズがない状況は不自然』
とのこと。
つまり、普段の生活環境にはノイズがあふれてるわけで。

たとえば電車の中。
脳が処理してくれてるから普通に友達と会話できてるけど、実は結構な騒音の中にいるんですよ。
試しに電車の中でレコーダーを回してRecしてみると、驚くほどいろんな音が入っていてびっくりするはず。

『でも、だからと言って曲に入れる必要ある?』
はい、その疑問もごもっともですねぇ。
Koyasさんの答えは
『ノイズを入れることによって曲に表情が出る』
とのこと。
たとえば、8小節を単純に繰り返すだけだと飽きられちゃうこともあるけど、ノイズを入れることによって飽きが来づらくなったりするそうな。
もちろん、ノイズも単純な繰り返しだと意味はないので、非周期的なノイズにする必要はあるけどね。

ノイズを作ってみよう(基礎)

いろんな方法があるだろうけど、Koyasさんがプレゼンしてくれたのはこちら。

まずは準備を。

  1. ブラウザの【インストゥルメント】にある【Analog】を空のMIDITrackにドラッグ&ドロップ
  2. オシレータ1,2をOff
  3. NoiseをOn

これで準備OK。
4小節1ノートのMIDIクリップを作って、再生させれば『シャーーーー』って感じのノイズが出るはず。
『音が出ないよ~~』って場合は、Analogの【Amp1】あるいは【Amp2】がOnになってることを確認してね。

Ableton Meetup Tokyo Vol.20『自分は気持ち良く、他は気持ち悪く』編

ノイズを作ってみよう(応用)

上に書いた【基礎】だけだと、単調なノイズなので飽きられちゃうこと必至。
なので、飽きられないように【非周期的なノイズ】にしてみましょう。

Max Audio Effectに入ってる【LFO】を【Analogの後ろ】にドラッグ&ドロップ。
青がメインのデザインと、オレンジがメインのデザインがあるかもだけど気にしない。
つまみの配置等が違うだけで同じもの。
でもオレンジの方がウィンドウが大きいから、そっちの方が見やすいかも。

  1. 【Map】をクリックして点滅させる
  2. Analogの【Color】をクリック

これで、LFOの波形に連動してAnalogのColorが動きます。
うまくいかなかった場合は、最初に【Map】と表示されていたボタンの横に【×印】があるので、それをクリックして一度連動を解除してから【Map→Color】の手順を再度やってみてください。

これでノイズに波が出来るはず。
単純な『シャーーーーー』からだいぶ進化しましたね。

さらにLFOの【Depth】【Offset】【Rate】等を動かして、気持ちいいところを探しましょう。
つまみをいじれば波形に変化が現れるし、音も変わるので深く考えずに感覚でOK。

Ableton Meetup Tokyo Vol.20『自分は気持ち良く、他は気持ち悪く』編

より詳しく知りたければ公式マニュアルを参照してね。
https://www.ableton.com/ja/manual/max-for-live-devices/#26-2-2-lfo

今までに自分が作った曲に、この作り方でノイズを加えてみたら面白いんじゃないかな。
曲の質感が変わると思うよ!?

これも参考に

Koyasさんおススメの記事がこちら。
LANDRの記事です。
こちらでノイズの種類や使い方を説明してくれてるので、必読のこと。

いつまであるかな?

この回でプレゼンターさんたちが使った資料等をシェアしてくれてます。
いつまであるのか期限は聞いてないので、急にリンク切れになる可能性もあり。
その辺はご容赦をm(_ _)m

Touch&Try

今回のTouch&TryはPioneer DJさんより【TORAIZ AS-1】が。
【Roland / RE-201】との組み合わせで遊ぶ人多数。
大賑わいでよかったよかった^^


おまけ

私事ながら。
俺がAbleton Certified Trainerを本格的に目指すきっかけになったのは、2年数ヶ月前の森谷さん(Ableton Certified Trainer)との出会い。
なので、感謝を込めてAbleton Certified Trainer合格の報告メールを送ったら、俺への祝福のために忙しい合間をぬって会いに来てくれました。
さらに【祝杯】の名目でビールまでご馳走に・・・
感謝感謝^^


さて、今回のレポブログは以上です。
当日のすべてを伝えられないのは残念ですが、それだけ内容が濃いということでご理解をm(_ _)m

で、小耳に挟んだんだけど
『AMTって怖そうなんだけど・・・。私みたいな初心者が行っても大丈夫??』
的な心配をしている方がいるとかいないとか。

安心してください。
怖いことは1つもないです。
(あるとしたら、サングラスをかけたときの俺くらい)
むしろ、初心者と自負してる方々にこそ来てもらいたい

『どこがわからないのか』がわかってる人にはその解決策、あるいは解決のための道筋が。
『どこがわからないのか』がわからない人は、わからない場所がどこなのかのヒントが、きっと見えるはず。
何より、Ableton Liveユーザー仲間という今後の音楽活動においてとても大切なつながりが出来るはず

Meetupイベントに馴染みがない人からすると『どんなのなんだろう?』って疑問を持つのは当然なんだけど、一度遊びに来てもらえたらどれだけ楽しくて有意義なイベントなのかがわかってもらえると思うんだけどなぁ~~~


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