Ableton Meetup Tokyo Vol.17『​お客さんの反応を意識しすぎない』編

Ableton Meetup Tokyo Vol.17『​お客さんの反応を意識しすぎない』編 AbletonMeetupTokyo

Ableton Meetup Tokyo Vol.17は、いわゆる「外タレ」が登場しての開催と相成りました。
最初は髪型に気を取られる人も多かったものの、音楽への愛がにじみ出る振る舞いとトーク、何よりパフォーマンスに魅了されて『そういえば最後は髪型が気にならなかった』という不思議な現象が多発。

Ableton Meetup Tokyoとは【Abletonユーザーを横断するコミュニティーの構築】を目的に隔月で開催されているイベント。
簡単に言うなら【Ableton Liveユーザー同士、仲良くなろうよ】と言う趣旨・・・ではあるものの、イベントの面白さが噂になったのかAbleton Live以外のDAWユーザーが参加することもよくある話。

前置きはほぼ定型なので、本編が気になる方はVol.17に飛んじゃってくださいね。

↓過去のAMTについてはこちらから一覧できます↓

前置き

Ableton?

今までのAbleton Meetup Tokyoもお読みいただくとして、まずは基礎知識。

Ableton】とは【Live】というDAW(音楽制作ソフト)を作っているメーカーです。
Liveは動作が軽く、直感的な操作が可能なので世界中のTrack makerやDJ/パフォーマーなどに愛用されてます。
その中でも、Abletonに知識・技能を認められた方々をAbleton認定トレーナーと呼びます。

Ableton Meetup Tokyo

Ableton Meetup Tokyo(略称AMT)とはAbleton認定トレーナーである

がオーガナイズしているイベントで、AMTのご意見番である

が司会・進行役。
今回はAMT初の男女コンビ司会として

が登場し、周囲を

が実動部隊として

が写真撮影として固めてます。
(順不同・敬称略)

イベントの目的は

Abletonユーザーを横断するコミュニティーの構築

です。
簡単に言うと【Abletonユーザー同士、友達になろうよ】的な。
公式Facebookページはこちら≫

イベントは、基本的に【Ableton Liveの使い方のプレゼン⇒Q&Aタイム】のように進みます。
回によってはトーク・セッションなど、濃ゆ~~~いトークが聴ける場合もあります。

そして、実はお客さんのすべてがAbletonユーザーというわけではないのです。
『Abletonをススメられた他DAWユーザーさん』とか、『音楽制作を始めたいんだけど、よくわからない』とか、いろんな方がいらっしゃいます。
そもそも【Ableton Liveのプレゼン】ってのは基本であって、Ableton Liveに限らず【音楽制作】をするのであれば必ず役立つようなプレゼンも多いんです。

さて、長い前置きはここまで。
いよいよ本編。

Vol.17 Jacques Master Class

今回のイベントタイトルは【Jacques Master Class】。
ちなみに、発音的には『Jacques』と書いて『ジャック』らしいよ。
最後の『s』は発音しなくていいみたい。

で、まずはメニューと布陣から。(順不同・敬称略)

Ableton Meetup Tokyo Vol.17『​お客さんの反応を意識しすぎない』編

ワークフローを加速させる、新しくなったアレンジメントビュー

何はさておきLive10発売直後だからねぇ。
気になるよね、Live10のTipsは。

Live10で増えた新機能については【Ableton Meetup Tokyo Vol.16『​ 音楽家側からしか出てこない提案』編】のYoshinori Saitoさんのプレゼンが参考になると思います。
新機能についてのTips等は【Live 10 Meetup『もうすぐ俺のベッドルームに』編】の森谷諭さんのプレゼン、あるいはDylan Woodさんのプレゼンが参考になると思うので、そちらもぜひどうぞ。

Ableton Liveと言えばエクセルのマス目のような【セッションビュー】が独特で有名だけど、他DAW同様にトラックが並んだ画面【アレンジメントビュー】での制作だってもちろんOK。
今回のKoyasさんのプレゼンは、そんな【アレンジメントビュー】がメイン。

プレゼン用ワークフローは

  1. Push2でフレーズを打ち込む
  2. 「音が出るもの」の音をRec
  3. オートメーション

のような感じ。
多かれ少なかれ自分のフローとかぶるでしょ?
ってことは、参考になる人も多いんじゃないかと。

1.Push2でフレーズを打ち込む

まずは基本となるようなビートやシンセベースを打ち込むところからスタート。
でも、Push2のシーケンスモードもRecボタンも使いません。
すべてLive10の新機能【キャプチャ】でやっちゃいます。

キャプチャとはMIDIコンでの演奏をRecしてしまう機能
Recと何が違うのかというと【Recボタンを押してなくてもRecしてくれる】というところ。
Push1&2はもちろん、MIDIキーボードなんかでももちろんOK。

『Recボタンを押してMIDIコンで演奏するとなぜか緊張してしまって上手く演奏出来ない』って人は多いかと。
あるいは『上手く演奏出来た時に限ってRecボタンを押し忘れたorz』なんてことも。

でもキャプチャを使えば直前のMIDI演奏をMIDIクリップとして取り込んでくれます。
しかも、曲のテンポに合わせてくれるという優れもの。

MIDIクリップだから、キャプチャした後にクオンタイズすれば完全なジャストに出来るし、ヴェロシティ等々の調整ももちろん可能。
キャプチャボタンの場所は、画面上部のRecボタンの並び。
ショートカットキーは【Win:Ctrl+Shift+C / Mac:Cmd+Shift+C】です。
オーディオデータしか扱わない、ってタイプ以外はお世話になる機能だと思うので覚えちゃった方がよろしいかと。

2.「音が出るもの」をRec

音が出るもの、つまりオーディオデータに関する新機能の話し。
Koyasさんが用意したのは「ガラガラ」「でんでん太鼓」「バネのおもちゃ」。

まずは、これをRec。
まあ、ここまでは今まで通りだよね。
ここから先で、新機能が活躍します。

たとえば、Recしたオーディオデータの中で『この部分を3小節目から使いたい』とか『アクセントの位置を合わせたい』とか。
そういうとき、クリップ全体を動かすと前後のクリップにかぶっちゃって『あっ!あぁ〜〜〜orz』ってなることもあるわけですよ。
でもLive10からは違います。

クリップを選択して【Win:Shift+Ctrl+ドラッグ / Mac:Shift+Option+ドラッグ】すると、クリップ自体は動かないのにクリップに含まれる音(オーディオデータやMIDIデータ)を前後にスライド出来るんです。

って、言葉で書いても分かりづらいと思うので、Ableton公式ビデオを貼っときます。
この動画の3分20秒辺りに、この機能の解説があります。
ちなみに、この動画はいろんなショートカットキーを解説してくれてるのでAbleton Liveユーザーなら一度は見ることを強くオススメ。

Learn Live 10: Editing clips in Arrangement View

さらに、今までは画面下部のクリップビューでワープ機能を使ってやっていたオーディオデータの伸縮がアレンジメントビュー上で出来ちゃいます。
クリップの端っこでShiftを押すとカーソルが [ や ]の形になるので、そのままドラッグすればOK。

さらにさらに、リバースも【R】で一発OKになりました。
これ、個人的に嬉しい新機能。

3.オートメーション

Koyasさん曰く『Live9で一番不満だったのがオートメーション』なんだそうで。
たしかに、クリップを動かそうとした時にオートメーションを書き込んじゃうってこと、ありましたわ。

それを解決するのがショートカットキーの【A】。
これでオートメーション書き込みモードの切り替えが出来るようになりました。
Live9からのアップグレード直後はちょっとだけ戸惑ったけど、慣れてしまえばなんてことないです。
むしろ、制作中に間違えてオートメーションを書き込むことがなくなったのでかなり便利。
オートメーション書き込みをオフればクリップ自体もすごい見やすいし。

オートメーションがグリッドに吸着するのもLive10からの新機能。
Live9まではこの機能がなかったから、小節の頭ジャストにオートメーション書きたい時にかなり手間がかかったけどLive10からは楽になるね。
あ、【Win:Ctrl+4 / Mac:Cmd+4】でグリッド吸着のOn/Offが切り替え出来るので、微妙な位置への書き込みも出来ますですよ。

ってな感じでプレゼンしつつ作っていたトラックは、およそ25分間のプレゼン終了時にはある程度の形になっていたのでした。
プレゼンしながらなのに、このスピード。
ホントに、Live10にしたらワークフローは加速します。

とは言っても。
文字で見てたら『そんなにLive9と違う??』って思う人もいるだろうねぇ。
でも、実際に使ってみたらかなり違います。
人によってはLive9との違いに最初は戸惑うかもしれないけど、慣れればLive9には戻れなくなるんじゃないかなぁ。

オーディオファクトシート

プレゼン後はQ&Aタイム。
ここで、お客さんから
『制作中と書き出した後の音質に差があります。どのような対処法がありますか?』
という質問が出ました。

Koyasさんの答えは
『Ableton公式サイトにマニュアルページがあって、そこに【オーディオファクトシート】という項目があります。
それを読み込むと、大概の答えは見つかるはず。』
とのこと。

たとえば。
【異なるサンプルレートのオーディオファイルを同セット内で使わない】とか、【32ビットでレンダリングする】とか、Ableton Liveで音を扱う上で重要なことがいろいろ書かれています。
(Koyasさんも『たまに読む』そうで)
ちょっとだけ専門的な用語も出てくるけど、自分のLiveセットと見比べることによって何かしらの発見はあるはず。
一読することを強く推奨。

コンピューターオーディオのリソースと対策 — Abletonリファレンスマニュアル バージョン10 | Ableton
補足

Ableton Liveを学ぶための動画がAbleton公式サイトにまとめられてます。
英語だけど、Ableton Liveの画面を使ってるんで英語がわからなくてもたぶん大丈夫。
『こんな方法あるの知らなかった!』ってことも人によってはあるんじゃないかな、と。
(俺はよくあります笑)

Liveを学ぶ | Ableton
Liveは、音楽のアイデアを生み出し、楽曲へと昇華させ、ステージへともたらすためのソフトウェア。

Jacques Master Class

さて、お次はJacques(ジャック)の出番。
『その場で録った音を使って曲を作る』
というスタイルなんだけど、想像をはるかに超えるパフォーマンスでしたなぁ。

まずは動画を見てもらった方が早いかな。
すごさの説明が難しいんでwww

Jacque(s) - Phonochose #1 : Live-looping à l'Amour

どうでしょう?
とりあえず、すごさは伝わりました?

Jacquesのシステム

すべての機材を把握するのはとりあえず置いといて。
音の流れだけでも把握しましょうか。

ものすごく単純に言うと

  1. 音をRec
  2. Recした音をルーパーでループ
  3. ルーパーから出た音にエフェクターをかける
  4. Ableton Liveに取り込む

という感じです。
ってか、要約したところであまり単純でもないけど(^_^;)

こういうシステムを組む意味

独特なスタイルだったり、何かしら突き抜けた音楽パフォーマンスを観ると真似したくなる人って必ずいるよね。
その気持ち、よくわかります。
なぜなら俺もそうだから笑
Jacquesのパフォーマンスを観て『こういうのやってみたいなぁ』と思ったのも事実です。

でも、ちょっと待って。

形から入るってのも全然アリだと思うけど、Jacquesのパフォーマンスの根底に感じるのは本当に自分が出す音が好きなんだな、ってこと。
極々私見ではあるけど、当日のショートパフォーマンスを観る限り、間違ってないと思うんだよね。

(CD HATAさん、お借りしますm(_ _)m)

この動画を観れば、『こういうシステムを作りたい』から始まったんじゃなくて、『好きな音を追求したらこういうシステムが出来上がった』って推測しちゃうでしょ?

余談だけど、この出発点を履き違えると行き着く先は感じ悪い機材オタクとかかな?
たまにいるでしょ?実際には使ってないのにスペックだけ覚えてて
『A社のなんか使ってるの?B社の方が性能いいのに。』
みたいなこと言ってくるヤツ。大きなお世話だよねwww

・・・・・・自戒のための苦言がわき道にそれたので元に戻します(-_-;)
【好きな音の追求】が大前提というのを踏まえた上で、機材の話も少しばかり。

1.音をRec

Jacquesはいろんな音をRecして曲を作っていきます。
たとえば、電動ドリルやラジオ、ゴムなどなど。

ダイナミックマイク(Voが使うような、いわゆる普通のマイク)でもRecするんだけど、個人的に『なるほど!』と思ったのは、コンタクトマイクを使ってのRec

コンタクトマイクというのは、音源の振動を直接拾うマイク。
つまり、音はモノが振動して、その振動が空気を震わせることによって耳に届くわけだけど、コンタクトマイクはモノの振動そのものを拾えるわけ。
(アコギやウクレレなど、ピックアップがついてない楽器に取り付けられるタイプがサウンドハウスとかでよく売ってます)

実際にRecしてみたらよくわかるんだけど、空き缶を指でコンコンって叩いた音でさえも、音量や太さ等がダイナミックマイクとコンタクトマイクでは全然違うんですよ。
コンタクトマイクの方が、はるかに大きく太い音になります。
これ、音イジリする人ならわかると思うけど、大きなメリットだよね。

さらに。
パフォーマンス中はPAから大音量で音が出てるわけで。
その中でダイナミックマイクで音をRecしたら、PAからの音もRecすることになります。
でも、コンタクトマイクであれば音源の音だけをRecするということも可能に。

とても納得できる使い方だし、何よりも面白そうだったのでサウンドハウス等で情報収集中www

2.ルーパー

Jacquesが使うルーパーは同期させた3台。
それぞれ【1小節】【2小節】【4小節】用ループとして使用。

本人曰く
『まずはここで1小節をループさせてイメージを膨らませる』
そうで。

イメージの膨らませ方は踊るようなステップを踏んだり、ビートボックスの用にリズムを口ずさんだり。
これがまた楽しそうにイメージを膨らませていくんだよね~。
パフォーマンス中もずっとステップを踏んだり、何かを口ずさんだり、手でリズムを取ったりしてたのが印象的。
ホントに曲を作っていくのが楽しいんだなぁ。

3.エフェクター

ここで言うエフェクターとはAbleton Live上で使うものではなく、GtやBaが足元に置いて使うコンパクトエフェクターのこと。
数はざっと30台以上かな?
プリアンプやディレイ、歪み系など、個人的に使ってみたくなるようなものがたくさん笑
ちょっとした楽器屋さん状態www

これらをパッチベイと呼ばれる機材を使ってつなげてます。
パッチベイとは入力端子と出力端子がたくさんついてる機材のこと。
下の写真、一番下部に写ってるのがパッチベイ。
たくさんの機材をつなげるのが楽になる優れもの。

興味ある方はこちらの説明が参考になるかと。。。

パッチベイ

4.Ableton Live

で、ここでようやくAbleton Liveに到着。
Ableton Liveのセッションビューでは、たくさんのスロットが準備されてます。
おおげさじゃなくて、ホントにたくさん。

曰く
『ここに音が入っていって絵のようになるのが気持ちいい』
らしい。

Ableton Live上では【BlindMidi】というデバイスが稼動。
これはリアルタイムでMIDIのパラメーターを複数操作するために入れてるんだとか。
ここ(GitHub)で落とすことが出来るけどまだアルファ版(試作品・『予想しないバグがあったり、動作が不安定だったりするよ』)という段階なので、使うときはご注意を。
(Jacquesは普通に使ってたけど、環境は人によって違うから注意するに越したことはないです)

気をつけてることは?

一通り終わった後のQ&Aタイムで
『ライブパフォーマンスにおいて気をつけてることは?』
との質問が。

Jacquesの答えは
『技術的には・・・配線が抜けたり電源スイッチを押してしまわないようにセッティングしてる。音楽的には【​お客さんの反応を意識しすぎない】こと。』
とのこと。
具体的な方法として『電源スイッチにはペットボトルのキャップをかぶせてテープで止める』なんてアイデアも教えてくれました。

何より【​お客さんの反応を意識しすぎない】ってのが、個人的に好きな言葉。
『お客さんを楽しませたい』ってのはステージに立つ人であれば思ってて不思議ではないけど、意識しすぎると逆効果になりかねないのも確かだよね。

たとえるなら『優しい人が好きって言うからって、優しくばっかりしててもダメ』的な?
たまに冷たくした方が効果的、みたいな。
違う!?
俺的にはすごく似てると思うんだけど。。。なんだろう、急に自信が。。。

情報求む

今回、視覚障害(言い方が悪かったらすいません。他意はないです)の方がお客さんとしていらっしゃいました。
曰く
『Ableton Liveを使いたい』
と。

オーガナイザーのKoyasさんが調べたところ、日本語で書かれたこの手の情報は皆無に等しいそうです。
もしなんらかの情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、FacebookのAbleton Meetup Tokyo Forumでも、このブログにコメントでも、コンタクトページから俺宛にメッセージでもなんでもいいのでお教えいただけたらと思います。

よろしくお願いいたします。

Ableton Meetup Tokyo Vol.18は

1月21日の【Live 10 Meetup】にプレゼンターとして登壇したDylan Wood氏から
『とてもよくオーガナイズされたイベントだね』
というお褒めの言葉をいただいたAbleton Meetup Tokyo、次回は4月後半の予定。

最新情報はAbleton Meetup Tokyo公式Facebookにて。それまでLive10でたっぷり楽しんでてくださいwww


レッスンという選択肢

独学・独習だと、壁にぶち当たることがあります。
バンドのようなグループ内にいる場合は仲間からのアドバイスで解決することもありますが、DAWでの楽曲制作は1人でやることが多いので仲間が出来にくいという側面はありますよね。
そんなとき、akimに直接レッスンを受けるという選択肢があります。


僕(akim)が書いたPush2での音楽制作を始めるための本
Ableton Live を扱うなら、コレ、最高
世界的人気のDAW【Ableton Live】最高位エディション
世界的人気のDAW【Ableton Live】実践向けエディション
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