4月26日(土)@六本木CUBE、Ableton Meetup Tokyo Vol.61。
GW直前というか始まりかけというか…のタイミングでBeginner向けのコンテンツを揃えて開催です。
Ableton Meetup Tokyoとは【Abletonユーザーを横断するコミュニティーの構築】を目的に隔月で開催されているイベント。
簡単に言うなら【Ableton Liveユーザー同士、仲良くなろうよ】と言う趣旨・・・ではあるものの、イベントの面白さが噂になったのかAbleton Live以外のDAWユーザーが参加することもよくある話。
オーガナイザーのKOYASさん曰く【大人の部活動】。
ちなみに、このレポを書いてる僕(akim)も2018年にAbleton Certified Trainerになりました。
『Ableton Meetup Tokyo(略称 AMT)って、いったいなんなの??』という方、まずは過去のAMTレポートをお読みください。
Ableton Liveユーザーのみならず、音楽制作に関わっているのであれば興味出ること間違いなし。
前置き
Ableton?
今までのAbleton Meetup Tokyoもお読みいただくとして、まずは基礎知識。
【Ableton】とは【Live】というDAW(音楽制作ソフト)や【Push】や【Move】というハードウェア(というか楽器)、【Note】という音楽スケッチ用iOSアプリを作っているメーカーです。
直感的な操作が可能で楽器のように扱うことも出来るので、世界中のTrack makerやDJ/パフォーマーなどに愛用されてます。
その中でも、Abletonに知識・技能を認められた方々をAbleton Certified Trainer(Ableton認定トレーナー)と呼びます(自分で言うの、ちょっと恥ずかしいけどw)。
Ableton Meetup Tokyo
Ableton Meetup Tokyo(略称AMT)とは
が共同オーガナイズしているイベントです。
イベントの目的はAbletonユーザーを横断するコミュニティーの構築です。
簡単に言うと【Abletonユーザー同士、友達になろうよ】的な。
公式サイトや公式Facebookページもチェック!
“for Beginners” Edition
2025年4月26日に六本木CUBEで行われた【Ableton Meetup Tokyo Vol.61】。
(Ableton Meetup Tokyoー略称:AMT)
今回の登壇者やDJ、司会やTopicsのご紹介から。
登壇者の紹介は登壇順、またはDJの出番順です。
登壇者

Sakura Tsuruta

akim

Yebisu303
DJ

Senny D



AILY


司会
今回の司会は、AMTオーガナイザーのKOYASさんと、AMTの司会歴も7年になるらしいDIEZONE君。

KOYAS

DIEZONE



Topics
このブログ公開時点では公式リリースされてますが、AMTの時点ではまだベータ版だった『Live 12.2』。
みなさん、使ってますか?
AMTで取り上げられたのは【Auto Filter】。
フィルターの種類が増えて
- DJ
- Comb
- Resampling
- Notch
- Vowel
が追加されました。
Auto Filterを2枚挿しして1台目をLow Pass、2台目をVowelにしてDry/Wetを60%にし、さらにVowelをLFOで動かす…なんていうKOYASさんおススメの使い方の解説も。
ついでなんで、akimが作った動画も貼っておきますね。
Touch & Try
今回のTouch & TryはAlphaTheta株式会社のハードウェア【Chordcat】でした。
AlphaThetaさんと言えばDJ系の機材のイメージなんですが『こういう機材もあるんだ』と、ちょっと驚き。

どういう機材かというと【コードレコメンド機能】が付いてるんです。
これは、最初のコードを決めたらChordcat自体が『次は、このコードはどう?』とおススメしてくれる機能です。
もちろん、2番目のコードを決めたら3番目のコードを、3番目を決めたら4番目を…となっていきます。
akimはバンド系なのでコード進行にはある程度慣れてますが、それでも『お?こういうコードもおススメされるの?』と、刺激を受けることも。

作曲という作業は1人でやることが多いですからね。
バンドメンバーとスタジオに入ってアレコレするのではなく、DAWを使う場合は特に。
1人って集中できるけど、行き詰ることがあるのもたしかなわけで。
Chordcatがあると、1人で作ってるけどもう1人のメンバーがいる気分になって、作曲が捗るのではないかと。
当日はYebisu303さんの【20 min Challenge】が行われたわけですが、Chordcatを使う場面も多々ありました。
このChallengeを観てた側としては『あ、欲しいかも…』と思ってしまったわけで笑

そんな『欲しくなってしまった』方への朗報が。
実は、AMT当日のお話だと『Chordcatはクラウドファンディングで作られた機材なので現在は発売しておらず、今後の予定も未定。さらに、クラウドファンディングも終了済み…』ということだったんですが、なんと発売が開始されました!!
しかも発売開始は7月17日とのこと。
このレポブログをゆっくり書いた甲斐があったというもので。
(それは違いますね。もっと早く書いた方がいいですね)
Chordcatの製品ページを貼っておきますので、ぜひともチェックを。
『取扱店舗』というリンクもあるので、気になる方は実機を見ることも出来るのでは??

そしてもう1つ。
【WAVE-EIGHT】というスピーカーのお話も。
このスピーカー、なんとワイヤレスなんです。

ワイヤレス接続と言うと音の遅延(レイテンシー)が気になることも多いですが、公式ページ曰く
Bluetooth接続よりも遥かに高速で音を送ることができる独自開発の超低遅延ワイヤレス技術SonicLinkを搭載
とのこと。
当日はドリンクカウンター前に設置したDJブースの音をメインホールで鳴らすために使ってたのですが、ワイヤレス接続と聞いて『え?マジで?』と驚くレベルの音質でした。
こちらも、気になった方はチェックしてみてください!!



Sakura Tsuruta「Ableton Liveスタートアップガイド:設定と音探しでもう迷わない」
Sakuraさん、AMTの準レギュラーと言っても過言ではないような。
今回は『設定と音探しで迷わない』というテーマでプレゼンです。
akimもワークショップで知ったんですけどね、ホントに最初の1歩でつまずいてるような方って多いんですよね。
曲を作りたくてLiveを手にしたわけですから『設定なんて面倒臭い!』という気持ちもわかるんですが、そこまで時間はかかりません。
ぜひとも最初に設定を終わらせちゃって、快適な設定で曲作りに集中してもらえればと。

Sakura Tsuruta
音楽プロデューサー/ ライブアクト/ DJ / 教育者、そしてアクティビストとして、国内外の電子音楽シーンにおいて、従来のアーティストの枠を超え、多角的な役割を体現している鶴田さくらは、ダークで壮大なリズムと、しなやかで幻想的なメロディーの融合により、リスナーを魅了し、さらなる期待を抱かせるアーティストです。
2019年のデビューシングル「Dystopia」は、BeatportのElectronica/Downtempoカテゴリーのトップ100に躍り出ました。2020年には、EP「Made of Air」を発表し、国内におけるアーティストとしての評価を固め、2022年リリースのLP「C / O」は、世界中のリスナーを惹きつけ、アンビエントやエレクトロニカのシーンで有力な世界的レーベル、Mule Musiqからレコード/デジタルで、2023年に再リリースされた。
鶴田の音楽は、日本だけでなく、世界中のクリエイティブコミュニティでも人々を魅了しており、年々、活動範囲を拡げ、オーディオビジュアルパフォーマンス、サウンドインスタレーション、拡張現実、ファッションショーなどの領域でも活躍。Ableton、資生堂、FENDI、Audio Technica、Amazonなどの世界的なトップブランドのから注目され、それぞれのブランドのプロジェクトをより豊かにするサウンドディレクションや音楽を提供している。
アーティスト活動の他にも、次世代の音楽の才能を育てることに深く取り組み、ミャンマー/ヤンゴン拠点のCreative Media Institueにて音楽制作の講師として年間50名以上の生徒を育成する活動を続けている。さらに、国内でも音楽大学や専門学校ではゲスト講師として教鞭を取り、母校であるバークリー音楽大学の協力の元、電子音楽制作とパフォーマンスの授業を入学希望者達に教えている。
また音楽シーンにおけるジェンダー平等の提唱者として、鶴田はBillboard Musicなどの有力なプラットフォームで、女性の権利についての自分の見解を共有してきました。音楽業界で女性の権利や居場所を増やすための努力は、Forbes Japanに評価され、2023年に発売された「世界を救う希望100人」特集号において表紙に抜擢された。
彼女の革新的なアプローチと音楽への情熱は、電子音楽シーンの発展を促進する力として、大きな期待を集めている。
Sakura Tsuruta transcends the role of a conventional artist, embodying the multifaceted
roles of producer, performer, educator, and activist within the dynamic electronic music
scene.
With a captivating fusion of dark, atmospheric tones and ethereal melodies, Sakura
stands at the forefront of electronic music innovation. Her distinctive style,
characterized by a seamless blend of haunting rhythms and celestial harmonies,
transports audiences to a dystopian realm, leaving them enraptured and craving more.
Hailing from Hiroshima, Sakura made an indelible mark with the release of her debut
single, 'Dystopia,' swiftly ascending the charts to claim a coveted spot in the Top 100 in
the Electronica/Downtempo category on Beatport. Building on this success, Sakura
unveiled her EP 'Made of Air' in June 2020, further solidifying her reputation as a
boundary-pushing artist. Her LP “C / O,” released in 2022, garnered international
acclaim, drawing listeners from across the globe, and has since been reissued on vinyl
via Mule Music, a prominent label in the ambient and electronica scenes.
Sakura's sonic offerings have captivated audiences not only in Japan but also within
like-minded creative communities worldwide. She continuously expands her
collaborative horizons, venturing into realms such as augmented reality, audio-visual
performances, sound installations, and fashion shows. Notably, Sakura's talent has
captured the attention of global brands including Ableton, Shiseido, Audio Technica,
Amazon, and FENDI, where she has lent her sonic expertise to enrich their projects.
Beyond her artistic endeavors, Sakura is deeply committed to nurturing the next
generation of musical talent. As a music production instructor at the Creative Media
Institute in Yangon, Myanmar, she empowers aspiring artists to refine their skills and
cultivate their unique creative voices. Additionally, Sakura conducts workshops at
conservatories and music colleges across Tokyo, collaborating with her alma mater,
Berklee College of Music, to represent the Japanese alumni community and teach
courses in electronic music production and performance.
An advocate for gender equality in music, Sakura has been a vocal champion for
women's rights in the industry, sharing her insights on prominent platforms such as
Billboard Music. Her efforts in advocating for increased female representation in music
have been recognized by Forbes Japan, resulting in a feature article and her
appearance on the front cover of the May issue as one of Forbes Japan's "100
Hopefuls Saving the World."
Sakura's unwavering commitment to innovation and her dedication to crafting
immersive musical experiences continue to elevate her performances, solidifying her
position as a visionary force in the electronic music landscape.
前置き
Liveの新規プロジェクトを開くと、Audioトラックが2つ、MIDIトラックが2つ並びます。
この状態から始めましょう。
環境設定
Liveには【環境設定】という項目があります。
よく使うので、ショートカットを覚えておきましょう。
【Win:Ctrl ,(カンマ)/ Mac:Cmd ,(カンマ)】です。
環境設定での設定は、楽曲制作をしていくうえで有益なものが多くあります。
最初に設定しちゃいましょう。
音が出ない?
音は鳴ってるはずなのに音が出てない?という時は、テストトーンを使いましょう。
環境設定の【Audio】ページを開きます。

まず【トーンボリューム】を一番小さくしましょう。
場合によっては急に大きい音が出てビックリしかねないですから。
次に【テストトーン】を【オン】にします。
先ほど一番小さくしたトーンボリュームを上げていくと『プーーーーー』というようなサイン波の音が鳴ります。
このチェックでテストトーンが聴こえれば、Live側の設定におかしいところはないという結論を得られます。
音が出ない原因はいろいろ考えられるので、最初にテストトーンでチェックするのがおススメです。
長めのサンプルを使ってる方向け
【Record, Warp&Launch】ページを開き、ロングサンプルのワープをOffにするのがおススメ設定。
Onのままだとケロケロしてしまいかねないのです。
この設定で、サンプルの扱いが楽になるはず。

ケロケロしてしまうのは、LiveのマスターBPMにロングサンプルが合ってしまうため。
たとえば、本来は80BPMのロングサンプルを120BPMのLive Setに入れてしまった場合などにケロります。
Mixを頼まれたときなんかもロングサンプルを配置することになるので、ここの設定は思ってるよりも重要です。
見栄えを好みに
環境設定の【Display & Input】ページで、ディスプレイのズームも設定しておきましょう。

【Theme & Colors】ページで色合い等の設定も出来ます。
目の疲れに関わるので、最初にしておくのがオススメです。

ブラウザ
ブラウザとは、Liveの画面の左側にある【インストゥルメントやエフェクトなどがある部分】です。
注目して欲しいのが【場所】。
ここには自分でフォルダを作成して追加できます。
(画像はakimの環境です。akimもフォルダを追加してます)

さくらさんの場合は【Splice Library】と【On Going Tracks】という制作途中の曲のフォルダを追加してます。
理由として『作り途中の曲で出たアイデアを後からくっつける場合もあるので、近くに置いておきたいから』とのこと。
くっつける場合はどうするかというと。
フォルダから直接ドラッグ&ドロップすれば、今開いているLive Setの中に開くことが出来ます。
そこから手を加えればOK。
さくらさんはライブパフォーマンスもやるので『あのライブのあの構成でやりたい』と後日に思った場合にも役立ってるそうです。
Packのフォルダ
さくらさん曰く『Suiteであれば是非ともPackをダウンロードして欲しい』と。
制作に役立つPackがてんこ盛りなので、ぜひとも追加ダウンロードしてください。
akimもレッスンやワークショップ等でいろんな制作環境を拝見してますが、Packを追加ダウンロードしてない方が本当に多いです。
もうね、もったいないの一言。
ダウンロードを強くおススメします。
手前味噌ですが、akimの動画を貼っておくので参考にしてください。
10'38"~からPackの追加ダウンロードについて話してます。
コレクション
ブラウザの上部にあるのが【コレクション】。
Macユーザーであれば『タグ付け』という機能を使ってる方もいらっしゃるかと。
Liveの【コレクション】はこの機能によく似ています。

コレクションのショートカットキーは【数字の1〜7】。
インストゥルメントやエフェクト、ファイルなどを選択して数字の1〜7を押せばOKです。
人によって使い方が変わるのがこのコレクションなんですが、さくらさんの場合は『音の統一感も気にしたいので、音の雰囲気分けで使っている』とのこと。
例えば「今日は曲作りの気分じゃないなぁ」なんて時は、音探しの日にしてコレクションに分けるのがさくらさんからのオススメ。
ブラウザの < と > を使って履歴を元に戻ったり進んだり出来るので、音探しに迷った場合は活用してください。

音探しのためのM4L
さくらさん曰く『M4LデバイスはLiveに搭載されてない機能を拡張するために使えるので、初心者こそオススメしたい』と。
サードパーティー製プラグインよりもお手頃価格だったりしますし、無償のものもあります。
プラグインのように「なんでも出来る」というよりも「コレだけが出来る」というものも多いので、制作の助けになるはずです。
M4Lとは【Max for Live】の略称。
Maxと呼ばれるプログラミング技術を使ってインストゥルメントやエフェクトなど、デバイスを自作することが出来ます。
必ずしも自作する必要はなく『maxforlive.com』などで公開されているM4Lデバイスをありがたくダウンロードして使うのがおススメ。
Suiteエディションをお使いであれば、問題なくM4Lデバイスを使用できます。
Standardエディションであれば、M4Lライセンスの追加購入が必要になります。
IntroやLiteの場合は、M4Lデバイスを追加して使うことは出来ません。
さくらさんオススメのM4Lデバイス
さくらさんがおススメのM4Lデバイスを教えてくれました。
Notepad Lite
制作途中のメモを書き留めるためのデバイス。

リンク先には、製品版としての【NTPD】というバージョンと、簡易版で無料の【NTPD For Free】が用意されてます。
【NTPD For Free】が【Notepad Lite】という扱いみたいですね。
少し下の方に置かれてるので、ページをスクロールしていってください。
Image
制作時のインスピレーション用に画像を貼り付けるためのデバイス。


Q&A
Q:オススメのオーディオエフェクトは?
A:Saturatorがオススメ。曲の彩度を上げてくれる感じ。全トラックに入れるのであれば、EQ Eight。
Q:Ableton Liveを選んだ理由
A:元々DJから音楽に入っている。DJだけでは物足りない、選曲するだけでは物足りなくなったので、Ableton Liveを導入した。理由は好きなDJさんたちがみんな使ってたから。
Q:音作りから始める?メロディとかから作り始める?
A:どっちもある。最近の曲だと、天然石から着想を得たりしてるので、そのコンセプトにあったものから作っていく。コンセプトに対して、音を作っていく。レファレンストラックがあるといい。イメージしてる曲に近い曲を聴きながら作るとブレづらい。
Q:始めていく中で、ご自身の作業の中でどれだけの段階を保存している?
A:寄り道はあったほうがいいんじゃないかなぁ。コレクションの中に使えそうな音に保存しておくと、音の世界観が作っていくのに役立つ。いい寄り道をする。寄り道をするけど、迷わないように。
Q:音を選んでいくと迷ってしまう。効率良く探す方法は?
A:検索フィルターを活用する。Charactorのフィルターをよく使う。インストゥルメントを絞ってからではなく、全てのままでフィルタリング。その方が発想の邪魔にならないのではないかと。
akimの一言
さすがさくらさん、わかりやすいプレゼンでした。
個人的に【On Going Tracks】というフォルダ分けは『なるほど!』と思いましたねぇ。
その方法は思いつきませんでした。
あと、おススメのM4Lデバイスは非常にイイですね。
akimも早速使っています笑
情報はこちらから




akim「Where is the One?~Grooveとは愛の告白~」
さて、今回のAMT、2人目の登壇はakimです。
つまり、僕です。
どんなジャンルであってもGrooveというものはあって、それは曲を作る側からすると無視できないものなわけで。

北海道札幌市出身、湘南在住。
5弦Bassist / ミュージックメイカー。
中学卒業と同時にBassを手にし、同級生と組んだバンドが音楽活動の原点。
以後『呼ばれれば行く』を信条に、HR / Rock / Pops / Punk / Jazz / HipHop / アイドルへの演奏参加や、メジャーレーベル在籍バンドへのベースレッスンなど多種多様なバンドや現場に携わる。
2018年には愛用しているDAWのメーカー【Ableton】から認定を付与されAbleton認定トレーナーとしての活動も開始。
YouTubeでは【Ableton Live講座】と題して500本以上の動画を公開、Kindleでは2冊の本を出版。
今も動画は増え続け、Kindleも引き続き執筆中。
2024年末からは、神奈川県藤沢市にてワークショップを定期的に開催。
ワークショップのコンセプトは『超初心者を中級者に』。
その延長線上に【湘南の音楽カルチャーの底上げ】を見つめている。
根底に流れるのはFunkのGroove。
Sly & the Family Stoneを聴いたときに覚えた『背骨を掴んで揺さぶられる』感覚が、今でも音楽を続けている理由の1つ。
座右の銘は【『変態!』は最上の賛辞。】
前置き
今回のセットアップは
- Ableton Live(Macbook)
- オーディオI/O
- Bass(Freedom Custom Guitar Research)
というもの。
楽器を弾き続けてれば、その楽器なりのグルーヴが自然に身に付いたりするものですが、DAWで打ち込む場合は「自然に」とはいかないですよね。
それなりの解析やTipsが必要になります。
その辺のお話をしたいな、と。
で、タイトルの【Where is the One?】とは、ジェームス・ブラウンがバックバンドに対して『1はどこだ?』と言ったというエピソードから拝借してます。
1拍目に重きを置くことで生まれたのがJB Funkなので、ね。
Grooveとは
Grooveとは、元々は『レコードの溝』という意味なんだそうで。
そこから転じて、いわゆる『ノリ』を表すようになった、と。
では、その【ノリ】とはなんなの?という話ですよね。
MIDIノート(打ち込み)に置き換えて考える場合、重要なのは
- 発音タイミング
- 音量
- 音価
この3つかと。
実践してみよう
実践してみようということで、準備しておいたベタ打ちのビートとベタ打ちのBassをまずは聴いてもらって。
ベタ打ちのビートに対して、ベタ打ちのBassラインをなぞったラインをakimがRec、と。
実際に弾いた方がイイ感じだったので、そのGrooveをベタ打ちのBassに反映させていきます。
音価
音価、つまり音の長さです。
基本的な音の長さの目安は70~80%程度がいいと思っています。
もちろん、あえてギリギリの長さにすることもあります。
『レガート』とか『テヌート』などと呼ばれるものですね。
が、そういう意図がないのであれば70~80%程度、たとえば4分音符であれば4分音符の70~80%程度にするということです。
そうすることで、より自然に聴こえるようになるわけですね。
それと、もう1つ。
『ハンマリング』や『プリングオフ』と呼ばれる奏法があるんですが、これは実音を2つ繋げるわけではないので、あえて110~120%くらいにするという方法もあります。
それに関しては、次の【音量】にて。
音量
音量も重要ですね。
JB Funkのルールに従って、1拍目に重きを置きましょう。
さらに、弦楽器奏者なら知ってると思うんですが『ハンマリング』や『プリングオフ』と呼ばれる音も足していきます。
MODO Bassなど有名どころのプラグインであればそれ専用の操作があるので、それを使います。
今回はAbletonのPackで【Studio Bass】というのがあるので、それを使ってます。
このPackはベロシティを上げるとスライドのニュアンスがその音に加わるので、それを利用します。

スライドのニュアンスを加えた音をそのまま使ってもいいんですが、さらに音価を110~120%くらいに伸ばすとより『っぽく』なります。
さらに、Liveの【Randomize】という機能を使ってベロシティに波を加えました。
発音タイミング
発音タイミングもけっこう重要です。
たとえばしっかりKickと合わせたいときはジャストがおススメですし、タイミングを崩すことによって曲に厚みや『っぽさ』が加えられることもあります。
Liveの【Humanize】を使ってタイミングをずらすのもおススメ。
ゴーストノート
特にBaやスネアに使われることが多いんですが、聴こえるか聴こえないかくらいの音量で入っている音のことを【ゴーストノート】または【グレースノート】と呼びます。
(日本ではゴーストノートが主流だけど、英語圏ではグレースノートと呼ぶことが多いみたい)
で、ゴーストノートを入れることによってフレーズにグルーヴや推進力が増します。
問題は『どう入れるの?』ってことなんだけど、基本的に実音とゴーストノートは同時には鳴らさないので、実音と実音の合間に入れるのがまずは王道。
でも全部をゴーストノートで埋めるのも変な感じがすることが多いので差し引きが必要なんだけど、この辺はジャンルにもよるのでいろいろ試してみて欲しい…という言い方になっちゃいますがご容赦を。
グルーヴ機能
ここまでやったみたく、1つ1つの音をずらしたり音価調整したり…というのも大事なんですが、それだと時間が掛かり過ぎます。
ということで、Liveにある【グルーヴ機能】を使いましょう。
ここまで作ったベースラインのMIDIクリップをグルーブプールにドラッグ&ドロップします。

このグルーヴをベタ打ちのBeatに適用すれば、ベースラインのグルーヴと合うわけで。
さらに → ボタンをクリックすればグルーヴが完全に適用(コミット)されるので、そこからさらに手直しをするのがおススメ。

詳しい使い方の参考に、akimの動画を貼っておきます。
引き出しを増やす
Grooveの引き出しを増やすために、音楽を「ながら聴き」ではなく「能動的に」聴くのがおススメ。
楽器プレイヤーがコピーのために曲をじっくり聴くように、ね。
そうやって聴いた音楽を楽器やLiveで再現することによって、いろんなノウハウが得られる…はず。
PackのMIDIクリップを参考にするものおススメ。
グルーヴを解析するという意味で特におススメするのは
- Beat Tools(Lite以上)
- Build and Drop(Lite以上)
- Golden Era Hip Hop(Standard以上)
- Drum Essentials(Standard以上)
最後に
今回のプレゼンで話したことを同じようにやってみても満足するものが出来るとは限りません。
むしろ、出来ないことの方が多いと思います。
グルーヴというのは愛の告白に似ていて、ネットで拾ったようなセリフで告白するよりも、自分なりの言葉や間(ま)で告白する方が気持ちは伝わるはずです。
akimが尊敬するラリー・グラハム御大は『指が速く動くからといってFunkが弾けるとは限らない。グルーヴとは君の考え方・話し方・歩き方から来るものなんだよ』とおっしゃっています。
その言葉をakimは今でも信じていて、自分の中にあるグルーヴを音に乗せることを日々目指しています。
このプレゼンを参考にして、自分のグルーヴを作れるようになってもらえたらなと思っています。

Q&A
Q:音価やベロシティの調整などで「ここは注意した方がいいよ」というのはある?
A:ないです。曲やジャンル、同じ曲の中でも展開によって変わるのでいろいろ試すしかない。
Q:Drum、Key、Ba、Gtにおいて、RandomizeとHumanizeの数値の目安はある?
A:あくまで曲によるという前提で。RandomizeとHumanizeは(今日はプレゼン用に多めにかけてるけど)50を超えないくらいがいいと思う。RandomizeやHumanizeを掛けた後に微調整を入れるのがおススメ。
KOYASさんからの補足で。
Humanizeのパーセンテージの意味は『クリップのグリッドにおけるパーセント』です。
(akimもこの日に知りました)
なので、グリッドが1/16の場合に50%までかけると32分音符までズレる可能性があるので、それだと狙った効果は得られにくいのでは、と。
Q:アクセントを置く場所の狙いは?
A:使っている音源的な意味でスライドのニュアンスを出したいからというのが1つ(音量の項を参照)。もう1つはゴーストノートが続いた後に実音を出すと音的な意味で引っ掛かりが付くかな、という狙いで入れることが多い。手クセっていうのもあるけど。
Q:ゴーストノートの使い方で美味しい方法はある?
A:曲が始まる前の小節の4拍目におかずを入れたいときなんかに、ゴーストノートを絡めると推進力が生まれる。単純な4分打ちに聴こえるBaでも、ゴーストノートを絡めるとこれまた推進力が生まれるので、使い過ぎは邪魔になるけど覚えておいて損はない。
Q:好きなアーティストのベースラインを勉強するときに、おススメの方法はある?
A:ADSRを意識するのがおススメ。「アタックが速いな」とか「リリースが短いな」とかを意識して聴いて、それを再現するときの手掛かりにする。

akimの一言
自分で自分のプレゼンを振り返るのは(大事だけど)ちょっと照れるね笑
ビデオを見返したら、だいぶ緊張してるし。
まあ、このプレゼンが誰かのお役に立ったなら、何よりです。
あと、会場で出会った『いつもYouTube観てます!』という方たち、今後とも引き続きよろしくお願いいたします。
情報はこちらから




Yebisu303 「20 min Challenge」
人の作曲を見てると勉強になるよね。
特に「20 min Challenge」のような時間的縛りがあると、余計に面白い。
(やってるご本人は大変だろうけど…)
当然ながら動画向きのコンテンツなので、このブログは補足的にお使いください。

Yebisu303
Acid House / Detroit Techno / Electroに強い感銘を受け、20代後半よりトラック制作、Live活動を開始。
無類のハードウェア機材愛好家でもあり、自身のYouTubeチャンネル「Freaky Tweaky」へ日々マシンライブやデモンストレーション動画を投稿している。
近年ではTVアニメの劇伴やKORGやSONICWARE製品のプリセットサウンド作成を担当するなど、その活動は多岐に渡っている。
X (Twitter) https://x.com/ybs303
Instagram https://instagram.com/yebisu303/
YouTube https://youtube.com/@FreakyTweaky
bandcamp https://yebisu303.bandcamp.com/music
前置き
「20 min Challenge」とは、文字通り20分で1曲仕上げるというチャレンジです。
場合によっては厳しいルールもあるらしいんですけど、ここではエクスポート(書き出し)開始くらいまでいけばOK…という感じでスタートします。
Yebisu303さんのセットアップは
- Ableton Live(Macbook)
- Chord Cat
- Push
- Micro KORG
でスタートです。

チャレンジ開始
まずは、Touch & Tryコーナーでみんなが遊んでいたChord catでコード進行を作っていきます。

スケールをGドリアンに設定し、MIDIクリップにChordcatのコード進行を入れていきます。

LiveにPadをオーディオRec。
Pushで4つのパーカッションを鳴らしていきます。
このパーカッションにはChoke(チョーク)を設定して同時に鳴らない、または前の音を消すような設定にしてあります。
ドラム演奏におけるChoke(チョーク)とは【叩いたシンバルを指で挟んでミュートすること】を言います。
Ableton LiveではHiHatによく設定されています。
ドラムを叩いたことがある人はわかると思いますが、1台のHiHatでClose HHとOpen HHを同時には鳴らせないですよね?
また、Open HHを叩いた後にClose HHにするとOpen HHの余韻は消えます。
この仕組みを設定するのが、LiveのDrum Rackにある【Choke】という機能です。
Chokeを同じ数字にグループ分けされた音は、上に挙げたHiHatのように音を消しあう働きを持ち合います。

だいぶ前の動画ですが、参考になればと思うので貼っておきますね。
Pushでパーカッションをリアルタイムで打ち込み、その後クオンタイズします。
低音が物足りないかな、と思うのでSub Bassを追加し、これもリアルタイムRec。
各パートが出来たので、これを並べていきます。
セッションビューでRecしていたので、アレンジメントビューに移していく段階に入ります。
この際、Beatを抜き差しして展開を作っていきます。
Yebisu303さん自作のデバイスでホワイトノイズをライザーで出し、リアルタイムRecしていきます。
さらに、低音が足りないのでCloneの音源を使います。
このデバイスのパラメーターをPushにアサインして、ノブの動きをリアルタイムRecしてきます。
さらに、無料M4Lデバイス(Pitch Drop)をMainに入れて使います。

ここまでで大まかな展開を作れたので、ココから先はおかずを増やしていく…という段階でタイムアップ。
少し質問
司会のDIEZONE君主導で、補足になりそうなQ&Aが軽く行われました。
16分でカチャカチャ鳴ってるのは?
Spliceから引っ張ってきた音。
テンポが違っても合わせてくれる機能が追加されたので、それを使っている。
シンセのEQ処理は、本来はどうする?
EQの前に、音量的な意味で、どちらを主役にするかを決める。
(今回の場合は2つのうちの1つ)
メインの音をサイドチェーンでつないで、メインが鳴ってる時はサブが抑えられるように設定している。
ザクっと打ち込んだだけだと音量のバランスが難しいので
- Compのサイドチェーンを使って、Kickの時に他の音が下がるように設定する
- 逆に、Kickの音が鳴った時に必要な音が鳴るような設定をGateを使うこともある

Q&A
Q:ノイズは?
A:M4Lデバイスを作っている。
そのままだと、ただノイズが鳴ってるだけなので、EQを入れ、Macroを組み、Low PassからHi Passになるようにモーフィングさせている。https://maxforlive.com/library/device/4907/white-noise
Q:Drum Rackのサンプルの準備に役立つTipsは?
A:CHOKEの設定をする。
同じ音であっても音量を小さくしたものも準備しておいて、ゴーストノート的に使えることが出来る
Q:平均的なトラック数は?最大と最小は?
A:平均は20〜30。最大は50くらい(Voのハモリを入れたりもあるので増えた)。最小は12とかかな?ただ、Drum Rackの中で使っているので、それを考えたら20を下ることはないかと。
Q:曲の構成で意識したことは?
A:盛り上がるところでRiser。Bassの種類を変えた。今回はやってないが、繰り返しの後半にはRide シンバルを入れたりして盛り上がりを継続しつつ…ということもやる
akimの一言
20 min Challengeを文字でお伝えするのは難しいですねぇ。
機会があれば、ぜひ生で体感して欲しいです。
そして、自分でも挑戦してみて、いかに高難度なことに挑戦してるかを感じてもらえたら、と。
そもそもこのチャレンジは時間制限自体に意味があるというよりは、普段の制作時の無駄をなくしましょう…という意味が強いとakimは思っています。
集中力の鍛錬にもなりますから。
実はakimもほぼ毎朝【#朝活】と称して曲のコピーや、ビートメイク&オーディオビジュアライズに勤しんでます。
たとえ短時間であっても、毎日やればそれは積み重ねになります。
コツコツ続けることをおススメします。
情報はこちらから




まとめ
【For Beginners】というテーマでお送りした今回のAMT、いかがだったでしょうか。
自分で自分のプレゼンをレポするのは、変な感じですね笑
というかですね、こうやってプレゼンをしている全員に初心者だった時があるわけですよ。
『Ableton認定トレーナーのakimです』と言っているakimも、AMTに通い始めた頃はただの初心者でしたし。
今回のAMTが初心者の方にとってヒントになったり、目標になったりすれば幸いかと。
ちなみに、akimが開いているワークショップやAbleton Meetup Shonanのお知らせがこのページのもう少し下にあるので、どうぞ見ていってください。
そして、Ableton Meetup TokyoのSNS関係はこちら。
次回のAMTのお知らせは以下です。
Next Meetup!
— Ableton Meetup Tokyo (@AMT_TYO) July 14, 2025
夏のミートアップは最近のトレンド「音を汚す」テクニックを特集!3組のプレゼンターがそれぞれの汚す手法を紹介します。
今回は試験的に25歳以下の方にもディスカウント料金を設定しました。
Ableton Meetup Tokyo Vol.62 音の汚し方
日時:2025.7.21(月・祝) 午後4時開場
会場:CUBE… pic.twitter.com/LssnkJH75p
akimからお知らせ
Ableton Workshop Shonan
『Ableton Meetup Tokyoがすごく役立ちそうなのはわかるんだけど、自分にはレベルが高くて…』という声があることを知りました。
そこで、AMTの立ち上げにも関わったRyoさんの協力を得て、藤沢駅近くにRyoさんが開いたカフェ【THE REF.】でakimが不定期ながらワークショップを開いています。
コンセプトは【初心者を中級者にする】です。
ここでいう中級者とは『自分の曲をもっと良くするために自分で調べられる、あるいは上級者からの提案を理解することが出来るレベル』です。
つまり、超初心者大歓迎。
興味ある方、以下のページをぜひともお読みください。
Ableton Meetup Shonan
さらに【Ableton Meetup Shonan】も始めます。
Ableton Meetup Tokyoとは少し違って、akimのちょっとしたデモや、Ableton製品に自由に触れる時間が主になります。
また、ゲストをお呼びしてAbleton Liveに関するトークセッションもアリ。
AMTの立ち上げにも関わったRyoさんが入れる美味しいコーヒーを飲みながら、Ableton LiveやPushユーザーと仲間になりませんか?
ぜひともお越しを。
レッスンという選択肢
DAWを使っての音楽制作、もっと楽しみませんか?
楽しむためのちょっとしたTips、レッスンしてます。
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