今回のAbleton Meetup Tokyoはいつもと違って渋谷ヒカリエでした。
TDME(TokyoDanceMusicEvent)への出張的な。
出張とは言えオーガナイザーはKoyasさんだし、CD HATAさんもモデレーターとして登場するし、撮影でJiroKenさんが入ってるし、何よりも楽しさがいつも通りなのでやっぱりAMTはAMTですなぁ。
Ableton Meetup Tokyoとは【Abletonユーザーを横断するコミュニティーの構築】を目的に隔月で開催されているイベント。
簡単に言うなら【Ableton Liveユーザー同士、仲良くなろうよ】と言う趣旨・・・ではあるものの、イベントの面白さが噂になったのかAbleton Live以外のDAWユーザーが参加することもよくある話。
『Ableton Meetup Tokyoって、いったいなんなの??』という方、まずは過去のAMTレポートをお読みください。
Ableton Liveユーザーのみならず、音楽制作に関わっているのであれば興味出ること間違いなしかと。
過去のAMTについてはこちらから↓
生楽器とエレクトロニクスの融合
今回のAbleton Meetup Tokyo(略称AMT)のテーマは【生楽器とエレクトロニクスの融合】。
TDME
まず、TDMEとはなんぞや?という人、いますよねぇ。
(いるよね?俺だけじゃないよね??)
TDME公式サイトから引用させていただくと
Tokyo Dance Music Event(TDME)は、世界各国の音楽業界に関わる人々が一堂に会する複合型イベントです。日本独自のダンス・ミュージック文化を東京から世界へ発信し、市場の活性化を推進していきます。
ということだそうで。
TDMEの数あるコンテンツ(カンファレンスやライブ)の1つとしてAMTをおこなったという感じ、ですかね。
でも、最初に書いた通りAMTはやっぱりAMT。
楽しめる内容、目白押し!
トークセッション
Ableton Meetup Tokyo@TDMEの第1部。
AMTのご意見番であり、Yahoo公認フェス番長であり、日本最強(狂)サイケデリックジャムバンド"Dachambo"のシンサイザー担当である、CD HATAがモデレーターとして登場。
トークには
- MONJOE(2つのバンド、yahyelではプログラミングやシンセを担当、DATSではボーカルを担当。それぞれ楽曲制作にも大きく関わりながら、他のアーティストへの楽曲提供や、さらにDJとしても活発な活動を展開中)
- シュガー吉永(93年から始めたバッファロー・ドーターはアメリカのレーベル・グランドロイヤルと契約し世界各国でアルバムがリリースされる。2001年から始めたメタルチックスでは映画やTVアニメのサントラを手がけ、個人でもゲームやCM音楽制作など多数。2016年、新バンド、ヘイロー・オービットを始動。2018年はそれら所属する全てのバンドのリリースを予定)
- DÉ DÉ MOUSE(遠藤大介によるソロプロジェクト。 作曲家、編曲家、プロデューサー、キーボーディスト、DJ。また、自身の曲のプログラミングやミックス/マスタリング、映像と多方面に活動し、他作品のプロデュース / 楽曲提供 / remixも行う)
の御三方が登壇。(順不同・敬称略)
それぞれに経歴を書くと大変なので汗、TDME公式サイトから紹介文を抜粋させていただきました。
詳しいことはそれぞれのお名前にリンクを貼っておいたので、そちらから情報を集めていただけたらと。。。
さて。本題。
今回のAMTのテーマは【生楽器とエレクトロニクスの融合】。
CD HATAさんを含め壇上の4名は文字通り、生楽器とエレクトロニクスを融合させた音楽をやられているわけです。
ところが一言で【融合】と言ってもアプローチは十人十色。
たとえば、シュガー吉永さんにとっては【Recは足し算、ライブは引き算】。
曰く『Recの場合は録った音を聴きながら打ち込み(MIDI等)を足していく。ライブの場合はRecされた音源を(機材的な意味で)完全再現は無理なので、アレンジ等を考えて引き算していく』だそうで。
ところが、MONJOEさんの場合は逆で【Recは引き算、ライブは足し算】。
具体的にどうこうと言うよりは『そういうスタンスで』というお話でしたね。
DÉ DÉ MOUSEさんからは外音(お客さんが聴く音)についての話が出ました。
ステージ上の演者が出した音は一度PAさんの卓(ミキサー等)を通ってからお客さんの耳に届きます。
つまり、PAさん次第で外音って本当に変わるんです。
よって、DÉ DÉ MOUSEさん曰く『PAさんとは仲良くしなくちゃ』と。
さらに、温度・湿度・季節・会場などなど音はいろんな条件に左右されるので『そういうのって難しい』とも。
『エレクトロニクスなんだから、いつでも同じ音が出せるんでしょ?』ってのは大きな誤解ってことですね。
また、『機材的に出来るはずなのになぜか同期が上手くいかない』とか、『本番中にラップトップ(ノートPC)がフリーズして再起動せざるを得なかった』とか、エレクトロニクスならではのトラブル経験はみなさんお持ちのようです。
ただ、トラブルから生まれる音や技術もあるしねぇ。
その辺もひっくるめた表現がCD HATAさんがトークセッション中に発した『正解はない』なのではないかと。
トラブルってのは次世代の機材に生かされる糧だったりするわけだからね。
そうそう!AMTで次の機材と言えば、Live10でしょ!!!
というわけで、Rec方法やそれぞれのスタンスなどが聞けた興味深いトークセッションは終了し、第2部のジャムセッションに続きます。
ジャムセッション
トークセッションに続いては、ジャムセッション。
メンバーは
- shiba@FreedomSunset(Vol.13 夏はフィジカル編)
- Koyas(AMTオーガナイザー/Ableton認定トレーナー)
- Josh Bess(Ableton認定トレーナー/Vol.12 インスピレーションが逃げちゃう編・Vol.15 Experiment編)
- LLLL(Vol.11 プリセットは使うな編・Vol.14 苦手な人は目を閉じて編)
の4名。(順不同・敬称略)
カッコ内に書いたとおりAMTとの関連も深い方々ですわ。
こんな方々のセッションってだけでヨダレが出るんだけど、さらにさらに、Live10がパブリックな場で初お目見え!
Live10は、2018年上旬の発売開始に向けてベータ版のテストが行われています。
そのテストには当然ながらAbleton認定トレーナーが関わるわけで、もちろんKoyasさんやJoshさんもテストしています。
つまり、今回のセッションにはLive10が使われたんですねぇ。
Abletonが公式に出している動画を見てたけど、Koyasさんの解説付きで見られるなんて嬉しい限り。
いくつかを簡単に紹介すると・・・
Echo
Live10 suiteに付属する新しいデバイス。
ディレイなんだけど、これの効き方がイイんだよねぇ。
Feedbackを上げていったときの音の広がり方が、こう、広がった音に包まれるような。。。
アナログの良さをデジタルで得られるというか、デジタルが持っている悪い意味でのお行儀良さが無くなった感じと言えば伝わるかなぁ。
Wavetable
こちらもLive10 suiteに付属する新しいデバイス。
新型のシンセサイザー・エンジンだそうです。
シンセサイザーでの音作りって、ある程度の知識が無いと難しいんだよね。
でも、このインターフェイスなら直感的にいじれそうな。。。
Capture
すべてのエディションに搭載される新機能。
MIDIコンを使ってアイデアを固める段階ってありますよね?
ビートパターンを叩いてみるとか、メロやフレーズを弾いてみるとか。
そういうときに『あれ?今のすごく良かったのに、どう演奏したのかわからない』なんてこと、ありませんか?
そんなときも、この新機能があればもう安心。
演奏後にCaptureボタンを押せば、Live10が取り込んでくれます。
Recボタンを押してないときでもOK、というかそういうときのためにこそある機能。
これ、ワークフローが加速しそうですよね。
さて、Live10についてのお話はこれくらいにしてジャムセッションの話に戻ります。
今回のセッティングは
- shibaさん => トランペット→shibaさんのLive9
- Koyasさん => Push2→KoyasさんのLive10
- Joshさん => H.H&Snare→JoshさんのLive10
- LLLLさん => Gt→KoyasさんのLive10
という感じ。
そう、Liveが3つ(Macが3台)あるんですね。
以前なら・・・たとえばMIDIで同期するときはMIDIケーブルでつないで、マスター&スレーヴを決めて・・・なんてことをしてたわけだけど、【Link】という機能を使えば別々のPC/Macに入ったLiveをつなげることが出来ます。(LinkはLive9から搭載)
LinkはWifiを使った機能で、同一のWifiネットワーク内にあるLive同士が簡単につながります。
マスター&スレーヴなんて設定も無いので、テンポ調整だってメンバーそれぞれが可能。
フィジカルに使えるコントローラー(Pushとか)をつなげばLiveは生楽器と同じように使える上に、クリップを事前に仕込んでおけばあらゆるフレーズをセッションに加えることが出来る・・・ってことは???
Ableton Liveを使ってのセッションが楽しいものになること間違い無しでしょ。
Joshさんの叩き出すビートに、Wavetableを使ったKoyasさんのシンセが絡み、Echoを掛けたLLLLさんのGtが空間を包み、shibaさんのトランペットがその中を泳ぐような。。。
つくづくイイ時間でした。
ここ数年?
『楽器のように使えるコントローラーや、ライブパフォーマンスに便利な機能が出てきたのはここ数年の話じゃないかな?』とはKoyasさんの弁。
実際、初代Pushの発売は2013年3月。
Link機能の搭載は2016年2月。
すごく新しい技術なんですよね。
でも【生楽器で演奏し、DAWで編集する】という住み分けはすでに壊れつつあります。
DAWを生楽器のように演奏したり、生楽器をDAWにつないでのライブパフォーマンスなんてのも珍しくはありません。
とは言え、まだ新しい分野なのはやっぱり間違いないんですよね。
だって【ここ数年】なんだから。
『新しい分野に参入するのは早い方が得』というのもKoyasさんの弁。
パイオニアになるか、フォロワーになるか。
『正解はない』という楽しさをより多く味わえるのは、きっとパイオニア。
Vol.16
AMT@TDMEの次は、12月15日のVol.16です。
こっちはいつも通りTime Out Cafe&Dinerでの開催。
テーマは【Hello, New World】。
登壇するのは、なんと昨年最後のAMTと同じメンバー。
(Koyasさん曰く『半ば偶然』らしいんだけど、『半ば』ってことは残りの半分は故意ですな笑)
あ、Live10についての話も聞けるそうですよ~
詳細や最新情報はAbleton Meetup Tokyo公式Facebookにアップされるので、フォローをぜひ。
忘年会だなんだかんだと忙しい時期でしょうが、今年最後のAbleton Meetup Tokyoでお会いしましょう。
20%OFF
大事なお知らせなんでここに書いておきます。
現在、Abletonではスペシャルオファーを開催中。
Ableton Liveを持ってない方は、Live9(Live10へのアップグレード無償)を20%OFFで入手できます。
Ableton Liveユーザーであれば、Live10へのアップグレードを20%OFFで入手。
期間はLive10発売開始まで。
詳しくはAbleton公式サイトにてどうぞ。
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