今年の2月だったかなぁ、ライブ後の打ち上げで
『グルーヴを出せるようになりたいんだけど、いい練習方法はありませんか?』
と質問されました。
それに対する回答にすごく納得してもらったので、図に乗ってブログにも書いておきます。
【ベースラインの作り方】を主軸に記事を書くカテゴリー。
具体的な作り方よりも、Bass弾きの考え方とか頭の中を覗く視点が多いかも。
練習の意味
滑舌練習って言うのかな?
高校時代、演劇部の部室から『アメンボ赤いなあいうえお』って練習が大きな声で聴こえてきた記憶があります。
これって、滑舌練習だからセリフに感情を込めるのとは違いますよね。
文字通り舌を滑らかに動かせるようになる練習です。
重要なのは、よくなった滑舌で感情を込めたセリフを言えるかどうかのはずです。
Bassに置き換えるなら、家でコツコツやってる普段の練習は滑舌練習です。
その滑舌練習は【カッコいいフレーズを思いついた!】なんてときに活きてきます。
ただし。
思いついたフレーズを弾いたときに、メンバーやお客さんにウケがいいかどうかは別問題。
相手がどう出るか
なんで『カッコいい!』と思ったフレーズなのに、ウケが悪い場合があるのか。
たぶん、それは独りよがりだから。
映画やドラマで『この口説き文句、カッコいい!』と思ったとします。
その口説き文句をそのまま狙ってる相手に伝えたとします。
口説き落とせると思います?
上手くいく可能性はゼロではないですけど『急に何言いだすの?』とか『は!?』とか、上手くいかない場合の方が多いんじゃないですかね?
だって、前後の脈絡やムードが違うんだもん。。。
Bassフレーズも同じ。
急にキメキメのフレーズを持ち出されても馴染まないんだよね。
そこだけ、妙に浮き上がっちゃう。
以前どこかで聞いた話なんだけど、勝新太郎さんが
『悪い役者ってのは、与えられたセリフをどう言うか一生懸命考えて「コレ!」って決めちゃうんだよ。それから冷蔵庫に入れて大事に取っておくんだ。そして本番当日、冷蔵庫から出してそのセリフを言うんだよ。そのセリフは周りと温度が違うから現場がヒンヤリしちゃうんだよ』
的なことを駆け出しの役者に諭したとか(うろ覚え)。
つまり、セリフは状況や相手ありきで発するもの。
Bassに置き換えるなら、フレーズは曲やメンバー、雰囲気ありきで弾くもの。
1人での練習の時に思いついたフレーズが、他のメンバーの出す音に馴染むかどうかはまた別の話。
グルーヴの正体
質問に答える前に、逆に質問。
『グルーヴの根っこってなんですか?』
グルーヴは【ノリ】とかって意味で使われますよね?
これは間違いじゃないです。
では、そのグルーヴはどこから生まれてくるのか?って話。
かつて、ラリー・グラハム御大はBassマガジンのインタビューにこう答えました。
指が速く動くとか、そんなのはグルーヴと関係ない。
いつかのBassマガジンより。何年何月号かは忘れましたorz
グルーヴとは、君の考え方・歩き方・話し方から来るものだ。
これに尽きると思うんですよ。
先に書いた【口説き文句】になぞらえます。
あなたの言葉で、あなたの間(ま)で、あなたの声で口説けるならそれが一番相手に気持ちが伝わりませんかね?
ただ、そのためには言葉を話せなくてはいけません。
英語しか通じないなら英語で、スワヒリ語しか通じないならスワヒリ語で、手話しか通じないなら手話で話す必要があります。
言葉を話せるようになるのが、最初の一歩。
フレーズを弾けるようになるのが、最初の一歩。
そこに感情を乗せられるようになれば、相手との会話も音のやり取りも楽しいですよね?
質問への答え
相手に言葉を伝えるなら滑舌がいいに越したことはない。
普段のBass練習は、滑舌練習だったり、いろんなセリフ(言い回し)を覚えるものだと思いましょう。
そこに感情を乗せられたとき、あなたのグルーヴが生まれます。
そして、感情のやり取りは相手があっての話。
それだけのことです。
そもそも、感情が乗ってないフレーズってつまらないもんね。
棒読みしかしない大根役者のセリフじゃ泣きも笑いも出来ませんよ、って話。
レッスン、お請けします
このブログを書いている僕(akim)はベースのレッスンもやっています。
バンド生まれバンド育ちで、メジャー在籍バンドのBass担当にもレッスンしていたakimが実践的なベースを教えます。
あなたの『ここが知りたい!』を知れるレッスンです。
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