Ableton Meetup Tokyo Vol.18『音を彫刻する』編

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Ableton Meetup Tokyo Vol.18『音を彫刻する』編 AbletonMeetupTokyo

【"for Beginners" Special】と銘打って開催した今回のAbleton Meetup Tokyo。
AMT春の風物詩となりつつあるわけですが、いや〜、シンプルながら非常に勉強になる内容でございました。

Ableton Meetup Tokyoとは【Abletonユーザーを横断するコミュニティーの構築】を目的に隔月で開催されているイベント。
簡単に言うなら【Ableton Liveユーザー同士、仲良くなろうよ】と言う趣旨・・・ではあるものの、イベントの面白さが噂になったのかAbleton Live以外のDAWユーザーが参加することもよくある話。

前置きはほぼ定型なので、本編が気になる方はVol.18に飛んじゃってくださいね。

↓過去のAMTについてはこちらから一覧できます↓

Ableton Live講座動画のアプリ作りました。

前置き

Ableton?

今までのAbleton Meetup Tokyoもお読みいただくとして、まずは基礎知識。

Ableton】とは【Live】というDAW(音楽制作ソフト)を作っているメーカーです。
Liveは動作が軽く、直感的な操作が可能なので世界中のTrack makerやDJ/パフォーマーなどに愛用されてます。
その中でも、Abletonに知識・技能を認められた方々をAbleton認定トレーナーと呼びます。

Ableton Meetup Tokyo

Ableton Meetup Tokyo(略称AMT)とは

が共同オーガナイズしているイベントです。
周囲を

が実動部隊として

が写真撮影として固めてます。
(順不同・敬称略)

イベントの目的は

Abletonユーザーを横断するコミュニティーの構築

です。
簡単に言うと【Abletonユーザー同士、友達になろうよ】的な。
公式Facebookページはこちら≫

イベントは、基本的に【Ableton Liveの使い方のプレゼン⇒Q&Aタイム】のように進みます。
回によってはトーク・セッションなど、濃ゆ~~~いトークが聴ける場合もあります。

そして、実はお客さんのすべてがAbletonユーザーというわけではないのです。
『Abletonをススメられた他DAWユーザーさん』とか、『音楽制作を始めたいんだけど、よくわからない』とか、いろんな方がいらっしゃいます。
そもそも【Ableton Liveのプレゼン】ってのは基本であって、Ableton Liveに限らず【音楽制作】をするのであれば必ず役立つようなプレゼンも多いんです。

さて、長い前置きはここまで。
いよいよ本編。

Vol.18 "for Beginners" Special

今回は【"for Beginners" Special】。
誰もが最初は初心者ですし、エキスパートと呼ばれるようなレベルであっても新しく知ることは多々あるんですよね〜。
今回はそんなことも含めてのメニューでした。
ってことで一覧(順不同・敬称略)

「Simplerで始めるトラック・メイク」

まずは山頂瞑想茶屋(さんちょうめいそうちゃや)さんからスタート。
(お名前が長いので以降「山頂さん」と書かせてもらいます)

「Simplerで始めるトラック・メイク」と題してのプレゼンです。
Simplerで作った音で曲を作っちゃおう、と。
山頂さんが作ってきたトラックを例に使いつつのお話でした。

まずは【Simpler】についての軽い説明を俺から。
SimplerとはAbleton Liveに同梱されているインストゥルメントの1つです。
【Sampler】と【Simpler】があるのでややこしくなるけど、別物です。
多くの機能を持つSamplerを、絞り込んでシンプルにしたものがSimplerと捉えてOKかと。
(ネーミングもそんな感じだしww)

基本の使い方は

  1. Ableton Liveのブラウザの【インストゥルメント】から【Simpler】をMIDIトラックにドラッグ&ドロップ
  2. 【Simpler】のウィンドウに使いたいオーディオファイルをドラッグ&ドロップ
  3. 各パラメーターをいじってサウンドメイク

てな感じ。
ちなみに『Simplerを理解すれば、Ableton Liveの半分を理解したも同義』とはKoyasさんの弁。

Ableton Meetup Tokyo Vol.18『音を彫刻する』編

さて、山頂さんからのお話。
山頂さんのプレゼン用トラックは、フィールドレコーディングで集めたオーディオファイルを元に制作。
曰く『販売されてるサンプル音源も持ってるけど自分で録った音の方が面白い』とのこと。

山頂さんがフィールドレコーディングに使ってるのはハンディ・レコーダー。
手軽さを重視してるそうで、小さくて軽いものをチョイスしたそうです。
たぶんZOOMのコレなんだけど、山頂さん曰く『好みで選んでOK。iPhoneでもいいよ~』とのこと。

コレで録り貯めた音をSimplerに入れてパラメーターをグリグリといじるわけですが。
この【いじる】ってのがビギナーには難しい段階でもあったりするわけで。
パラメーターにはそれぞれ名前が付いてるけど『よくわかんない!』って人も多いよね。
山頂さん曰く『感覚としては、音を彫刻する感じ』とのこと。
たしかに『このパラメーターをいじったら音がこういう風に変わった』という感覚を、丸太を削ってなんらかの形にする感覚とリンクさせると理解しやすいかも。
さすが山頂さん、名言が出ますなぁ。

ここでは、ETCを通過するときに車の中に聴こえるビープ音(ピーって音)を切り出してフィルターで変化させます。
Lowを強調するときはHighを削り、Highを強調する時はLowを削るのがフィルターの基本。
ADSRをいじっての音作りも基本中の基本なんで覚えておくことを強く推奨。
てな感じで、同じ音源から【Kick】【Snare】【H.H】が完成し、プレゼン用の曲となっていきました。

最後に山頂さんのお写真を。
大事な『心得』も入ってるので、しっかり観てくださいね。
それにしても何故にこのフォントを笑?

Ableton Meetup Tokyo Vol.18『音を彫刻する』編

“Creating Hard Hitting Kick Drums and Power to Your Music”

お次はJosh Bess(ジョシュ・ベス)さん。
プレゼンテーマを和訳すると「力強いキックを作って、音楽にパワーを与えよう」ってこと。
元々がDrumsのジョシュさん、Kickの作り方は定評があります。

さて、どんな風に作るのか。
Joshさんが用意したシンプルなTrackに、KickとClapを加えていく工程を実際にやっていくことでプレゼンしてくれました。

根底にあるのはとてもシンプルな理論。

  • 同時に叩くと強い音になる
  • 同時に叩かなければ弱い音になる

これだけ。

「でも、Kickを重ねたからって必ず大きな音になるわけじゃないよね!?」と思った人はいるはず。
たしかに、Kickの音質や音色によって結果に差はでます。
が!
その前に確認して欲しいことがあります。
Kickの波形、揃えてます?

最初に言った【同時に叩くと強い音になる】理論からいくと、他のパートと頭を揃えれば強い音になるわけで。
となると、頭をそろえるために波形の確認も必要です。

言葉だけでの説明が難しいので、俺の環境に入ってる音源をサンプルとして使います。
Joshさんが使った音とは違いますが、その辺はご了承を。
ちなみに、音源はAbleton Live10のPack「Beat Tools」のOne-Shotsを使いました。

ドラッグ&ドロップ直後の波形は、拡大するとこんな感じ。

悪いわけじゃないけど、Joshさんいわく『もっと力強いKickに出来ます』と。
その方法がコレ。
まずは「スタートマーカー」をココ(波形が始まった直後くらい)に移動。

スタートマーカーを置いた位置を「1.1.1」に設定します。
とは言え「1.1.1」以前の音が不要なのではなく。
アレンジメントビューでの配置はこんな感じ。
「1.1.1」以前の音もしっかり活用。

試しに自分の曲の中でのKickにこの処理を施すと、違いがよ~くわかるはず。
JoshさんはさらにClapにも同様な処理を施してTrackに加えるんだけど、加え方で効果が変わるそうで、

  • もしクラップがキックよりわずかに後ろの位置であればアタックは弱くなり、ミックスしたときにクラップが引き立つようになります
  • もしクラップがキックと同じ位置に並んでいると、アタックは強くなり、クラップの音はキックと一体となります

だそうです。
コレ、Joshさん本人も言ってるけどKickとClapに限らずMixにすごく役立つよね。
必修のTipsだと思います。

「わからない時どうしてる?」

実技的なプレゼンが終わった後は、「わからない時どうしてる?」がテーマのパネルディスカッション。
布陣は【モデレーター:CD HATA / パネリスト:Yoshinori Saito、Sakiko Osawa、Maria Fujioka】です。
曲を作ってるときに「こういう効果が欲しい」とか「こういう操作方法はないの?」とか、疑問や質問は出てくるわけで。
でも、曲を作るときって大体1人なんだよねぇ。
だから質問する相手がいないのが普通なわけで。

そんなとき、どう解決するの?的な。


まずは、Ableton Liveを始めて2~3ヶ月というMaria FujiokaさんのTrackを聴くところからスタート。
さながら、公開個人レッスンww
みんなも最初は知らなかったであろう「Soloボタン」を教えたり、MasterのVolumeが0を超えてたから下げてみたり、みたいな。

音作りについての話で出て来たのが
『具体的な覚え方として一番簡単なのはパラメーターを1つずついじって音の変わり方を聴いてみること。どれだけいじろうとAbleton Liveは壊れないし。』
っていう会話。
これ、超重要だと思います。


超基本編のMariaさんの次は、かなり応用編のお話がSakiko Osawaさんから。
『ボード上に置かれたチェスの駒の位置に反応して曲が変わる』というシステムをMax For Liveを使って作ったときの経験をお話してくれました。

そのシステムについてものすっごく噛み砕いて書くと、駒を置くボードにレーダーチャートのように「激しい」「おだやか」などの数値を持たせて、駒の位置によって「激しい +8」「おだやか +2」の曲が流れる、的なシステムだそうです。
ここで重要なのは、システム自体よりも作るためのステップだと思うのでこの程度の解説で。。。

「Max For Live(略称M4L)なんて使わないし。。。」とか思った方、ちょっと待って。
たしかに使わないかもしれないけど、取り組み方はすごく参考になるはず。

実はSakikoさんもM4Lが達者だったわけではなく、そのシステムを作るときにM4Lを勉強したそうで。
その勉強の仕方こそ「わからない時どうしてる?」に対する1つの解ではないかと。
曰く

  1. チュートリアルをそのままやってみる
  2. チュートリアルで作ったものを改造してみる
  3. 世の中にあるものを改造してみる

というような段階を踏んだそうです。

Youtube等で『M4L Tutorial』などの語句で検索すれば、たくさんのチュートリアル映像が引っ掛かります。
それを1つずつやってみて、なんとなくわかったら改造してみてさらに理解を深めて・・・と。
理解の早さや深度に関しては個人差があると思うけど、この段階の踏み方はいろんなことに応用が利くと思いますよ。


さて、最後に控えしはAbleton認定トレーナーでもあるYoshinori Saitoさん。
「わからないときって調べるでしょ?」的な観点から、役立つWebページを教えてくれました。

YoutubeのAbletonチャンネル

まずはYoutubeのAbletonチャンネル。
=> https://www.youtube.com/user/AbletonInc

ここはAbleton Liveユーザーなら押さえておかないと、ね。
最近はローカライズも進んでるらしく、日本語字幕が出るビデオも多いらしいです。
日本語字幕がなくても映像だけでわかることも多いので、おススメですよ。
ちょっとしたTipsなら3分程度の映像なんで、手軽に見れるってのもありがたい。

maxforlive.com

Max For Liveに興味がある場合はこちら。
その名もmaxforlive.com。
=> http://maxforlive.com/

ここは世界中からM4Lデバイスが集まってくるサイト。
「こんなの欲しいな」と思ったら、だいたいは見つかるんじゃないかな。
「近いけどちょっと違う」って場合は、Sakikoさんを見習って自分で改造しちゃうってのも1つの手です。

Synthtopia / MATRIXSYNTH

さらに【シンセパパ】の異名を持つYoshinoriさんらしいページも2つ。

シンセ好きには有名なサイトだそうですが、曰く『運営がアメリカなのか、土日は更新がお休み』らしいです。


さて、それぞれスキル的な意味でのレベルもあるし、演りたい音楽によっても変わるとは思うけど自分なりの解決方法が見つかればいいですね^^

Touch & Try

今回、Touch&Tryコーナーが設置されてましたねぇ。
IK multimediaさんやらJBLさんやら。
こういうの、楽しいっすwww

個人的に食いついてしまったのが、しくみデザインさんが展示していたKAGURA

操作的にはX BOXのKinect的な感じと言えば伝わるのかなぁ。
DAWのパラメーターを自分の体で操作することが出来る、と。
Bassist的要望としては、iPhoneとかでも操作できるようになるとより手軽になりそうだよね。
そうすればもっとDAW環境とバンド環境がシームレスになって面白くなりそうな??

おまけ

この日はCD HATAさんの誕生日イブでした。
片付けの後、日付変更線をまたぐのを待ってみんなでお祝いwww

レッスンという選択肢

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