これってAbleton Live独自の方法なんじゃないかなぁ。
他のDAWでも似たようなことは可能だろうけど、セッションビューならではの方法ってとこはあるんで。
Trackmakeに役立つのはもちろん、バンド用の新曲を作るのにだって役立つ・・・はず。
ダミークリップ
誰が最初に考えたかはわからないけど、Ableton Liveらしい考え方のTipsだよね、これ。
簡単に言うと音を入れずにエンベロープだけ書き込んであるクリップのこと。
音が無いクリップをどう使うのかというと、他から音を入れるんです。
いわゆる【音のルーティング】。
ルーティング
ルーティングとは【Track1の音をTrack2を通して鳴らす】こと。
もちろんTrackはどれでも問題なくて、1でも2でも3でも4でも・・・OK。
やり方は
- 元となるトラックを用意(ここではMIDI1)
- MIDI1にインストゥルメントを設定(ここではAcoustified Kit 01)
- オーディオトラックを追加(ここではAudio2)
- Audio2の【Monitor】を【in】に設定
- MIDI1の【Audio To】を【Audio2】に設定
この段階でMIDI1の音を鳴らすと、同時にAudio2からも音が出るはず。
音が出たら、ルーティングの完成!
クリップ準備
では次の段階。
まずは元となるMIDI1にクリップ作成。
な~んでもいいんだけど、ここではH.Hの8分刻みを作ってみました。
わかりやすいように【H.H】と命名。
次に、エンベロープを描き込むための空クリップを準備。
無音のクリップを準備しておくのが一番楽なんだけど、無い場合は作るしかないわけで。
ここでは
- MIDI1をミュート
- Audio2のクリップにRec
ってな感じで作っちゃいました。
ここでは1小節にしてるけど、何小節でもOK。
MIDI1に作るクリップと小節数をずらすことで面白い効果が生まれたりするんでね。
とりあえず、わかりやすいように【Dummy1】と名付けます。
エンベロープ描き込み
エンベロープを【Dummy1】に描き込みます。
エフェクトのOn/Offや、各パラメーターの動き、ボリュームやパンの設定などなどを好きなだけ、好きなように描き込みます。
ここではボリュームに波をつけて、Auto Filterのレゾナンスをいじります。
音はこんな感じ。
ループさせて、4小節にしてます。
なんでダミークリップ?
ここまで来たら『そもそもなんでエンベロープだけ独立させるの?』って思いません?
俺は初めてダミークリップを知ったとき、そう思ったんですが。。。
MIDI1のクリップに直接エンベロープを描き込んでも同じこと。
じゃあなぜ独立させるのかというと、いくつか理由があるらしくて。
- PCへの負荷を減らす
- ライブパフォーマンスのための仕込み
- フォローアクションと組み合わせられる
つまり、ダミークリップは1つだけではなく複数準備して使うと本領発揮できるわけで。
エンベロープを直接書き込んだ通常のクリップと、エンベロープだけを書き込んだダミークリップであれば、ダミークリップの方が軽いそうで。
なので、まずはPCへの負荷が減ります。
PCへの負荷が減るということは、ライブパフォーマンスにおいてメリットが大きいわけで。
音が入っている通常クリップは1つでも、ダミークリップを複数作っておけばいろんなエンベロープを使って音を出すことが可能になります。
次にフォローアクション。
ダミークリップを複数用意してフォローアクションを【Random】に設定しておけば、勝手にエンベロープが入れ替わる、と。
バンドマンなら
バンドマンが家で作曲するだけであればダミークリップは必要なさそうだけど、ダミークリップを作りためておけば新曲作りも楽になる・・・はず。
ベタ打ちしたドラムパターンにボリュームをいじったダミークリップを差し込めば、だいぶ雰囲気が変わりますからね。
個人的な好みを言うと、ドラムパターン全体ではなくてH.Hだけにダミークリップを使う方が好きです。
あまりバンドマンっぽくないTipsだけど、使い慣れると面白いんだよねぇ。
生のドラムもいいけど、生ドラムでは無理なドラムパターンから得られるインスピレーションってのもあるからね。
レッスンという選択肢
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